わたくし奥冨が、今聴いているアーティストや作品について愛情たっぷりにお伝えしていく連載〈BOY 奥冨直人の宇田川放送委員会〉。第21回目となる今回は、冬の始まりに切なくも温かいサウンドを奏でる3組を。

HOME 『Lucy』

1. HOME “Lucy”
この沖縄の新鋭3ピースの存在を知ったのは、3年ほど前に沖縄を訪れた際に出会ったDJの方のツイートでした。その投稿で観たライヴ映像が衝撃的にグッときてすぐにフォロー。追っていると、ギター・ポップからトラップ、ラウドなものまで曲の幅が広く、柔らかい印象の振舞いから激しく攻撃的なステージまで、まだまだ奥行きが掴めなくてゾクゾクさせてくれるバンドです。今後が本当に楽しみ。

グソクムズ 『陽気な休日』 Pヴァイン(2022)

2. グソクムズ『陽気な休日』
コンスタントなリリースでよく名前を目にするようになった吉祥寺拠点の4人組バンド。フォークルーツを感じるポップ性の高い楽曲、日本語の持つしなやかさとたなかえいぞをの温かなヴォーカルが絡み合い広がる音楽世界に多くの支持が集まっています。12月14日にリリースされるこの新作は、移ろう季節の切なさが詰まった“冬のささやき”の再録をはじめ、期待と希望いっぱいの全10曲。

Norio 『Somebody』 Hush Hush(2022)

3. Norio『Somebody』
群馬の映像作家/IDM作家・Noriaki Okamotoの別名義、Norio。再生して一気に引き込まれるアンビエントの温度。10月にUSのHush Hushからリリースされた本作は、映像作品の中にいるかのような没入感があり、初めて“Koe”を聴いた時は不思議と懐かしさと言いますか、以前どこかで観た景色を泳ぐような体験でした。Misi KeやSatomimagaeも参加した彩り豊かな作品です。

 


奥冨 直人(BOY)
平成元年・埼玉県生まれ。ユースカルチャーを発信するファッションと音楽のコンセプトショップ〈BOY〉を2009年渋谷円山町にオープン。2014年に現在の宇田川町店舗に移転・独立。現在スペースシャワーTVにて配信番組「スペトミ!」のVJを担当。DJやスタイリングなど日々の活動は多岐にわたり、どんな時代も楽しく暮らしている。