フレンチ・エレクトロの雄による8年ぶりの4作目。資料などではやたら〈ディスコ × ガバ〉というキーワードが打ち出されているが、もともと彼らはエレガントなストリングスとブリッとしたベースラインにホラーなシンセを重ねることで作家性を確立してきたがゆえに、本作で劇的な新機軸を掴んだという印象はない。むしろ2曲に参加のケヴィン・パーカーを筆頭に、コナン・モカシン、ミゲル、サンダーキャット、MGMTを思わせる双子デュオのフリンツらゲスト・ヴォーカルの布陣に通じるサイケ感が肝ではないだろうか。ガバという意匠は、その甘美なメロウネスを引き立てるスパイスに過ぎない。