lyrical schoolの新メンバーとして加入してから今年の2月で1年が経ち、デビュー日に1周年記念ライブを行った。無事にスタートダッシュを切ることができた達成感と、まだまだ未来しかない、と膨らんでいく期待が私の身体を3:7で占めていた。

 その時から軌道に乗っていたのかもしれない。ここ数ヶ月、目の前のイベントひとつひとつを満足にこなせている気がする。

 アルバムをリリースしてから2週間、毎日のようにインストアライブをさせていただいていた。まだお披露目して間もない新曲を、日々確実に自分たちのものにしていく。これまではライブを終えた後、できなかったことで頭がいっぱいになってしまうことが多かったが、最近はいつもの仲間やお客さんたちと一緒に、音楽で熱を生み出すような時間を作れるようになってきたので悔いは残らない。プライベートでも美味しいご飯を食べたりたまに旅行に行ったりして、お休み期間も小さな幸せで埋め尽くしている。

 しかし、そんな良い流れもいつかぷつりと途切れてしまうのではないか。満たされている時間も素直に喜べずにどこかずっとヒリヒリとした感覚がある。〈うまくやれている〉と口に出すと一気に運が逃げていってしまうような気がして怖くなるが、こんな時は、スリーピースガールズバンド・サバシスターさんの“タイムセール逃してくれ”を口ずさみたくなる。世界が自分の味方をしてくれているような日々についての曲だ。

 こんなに絶好調な毎日が続いているなら、ちょっぴりつまずいてもいい。そんな想いのこもった力強い歌唱が瑞々しい。〈スーパーのタイムセール行けないまま終わってくれ〉〈せめて間に合ってもレジで財布忘れたこと気づいてくれ〉――これらのフレーズは無邪気で可愛らしくもあり、楽しいことも嫌なことも全部まとめて笑い飛ばしてくれるようなパワーをくれる。

 1日の終わり、やることをやって家路につく頃、〈手に届くものばかりじゃ、世の中腐って消えてしまうよ〉と空に向かって呟きたくなるような暮らしをできるだけ続けていきたい。

 


【写真と文】hana:8人組のHIP HOPユニット、lyrical schoolでMC/ヴォーカルを担当。lyrical schoolは現体制で初のアルバムDAY 2』(ビクター)も好評リリース中。5月に始まった全国ツアー〈DAY 2 TOUR〉と並行して定期公演やイベント出演なども続くので、諸々の最新情報は〈https://lyricalschool.com/〉にて。