元フロエトリーのソングストレスがドクター・ドレーの制作で完成させたアルバムがついに到着。6年ぶりのソロ作だが旧縁のアフターマスからの初オリジナルで、デム・ジョインツらの関与も含めて以前客演したドレー『Compton』に連なる作品でもある。ナズやウータン・クランの90sヒップホップにジャズ古典、スティーヴィー・ワンダーなどのソウル名曲を巧みに引用し、重厚なビートと壮美なオーケストラで編み上げた楽曲は、マーシャの情熱的なメゾ・ソプラノの声や多重コーラスと相まってオペラに通じる高い芸術性で訴えかけてくる。名画オマージュの表題に恥じないシネマティックでドラマティックな傑作だ。