フロエトリー時代がもはや遠い過去となったソングストレス。制作陣にエリック・ハドソンやポップ&オーク、ダ・インターンズらの気鋭を迎えた約3年ぶりのソロ2作目では、スケールの大きい幻想的な音像に包まれながら、メゾソプラノの艶美な声と手繰り寄せるような唱法で愛の機微を歌い上げていく。ジェルー・ザ・ダマジャ“Come Clean”を想起させるトラックでシャーデーの名曲を知己のドクター・ドレーと斬新にリメイクした“Stronger”をハイライトとして、渡米前の活動地であるロンドンに思いを馳せたようなラスト・ソングまで、アンビエントなトーンは一貫。チャーリー・ウィルソンを迎えたジャジーなスロウ“Spend All My Time”も含め、密やかな官能に酔わされる一枚だ。