近年では映画「BLUE GIANT」での活躍や、椎名林檎のツアーへの参加、米津玄師のレコーディングへの参加などジャズ・ドラマーとしての枠に収まりきらない多方面で活躍を見せる石若駿によるプロジェクトのセカンド。今若手ジャズ・ドラマーで最も注目度が高いと言っても過言ではない彼の抜群のテクニックと、様々なアプローチが堪能できるのはもちろんのこと、今作ではより楽曲の構築美を感じることが出来る一枚。先行公開の“NEW POWER”での各楽器を活かすビートの構築と、対照的にアグレッシヴな“KWBR Kuwabara”どちらも素晴らしい。
サンダーキャットやテラス・マーティンから絶賛された2019年のデビュー作以来4年半ぶりとなる、国内最強ドラマー・石若駿によるプロジェクトのセカンド・アルバム。昨年12月にサプライズ・リリースされた“ATR Theme”で幕を開けると、前作に続いての参加となるermhoiやKID FRESINOらがアテンドしながらストーリーを進めていく。ファラオの血統を継ぐトモキ・サンダースのサックスをフィーチャーした“Bim Bottle Circle”など、ジャズの本流を時折挿し込みつつ間口を広げることも忘れないサウンドメイクは、これからのジャズ・シーンやあるいはその先をも見据えているようだ。