インタビュー

Crossfaith “MADNESS”

海外で積み上げた経験や実績を反映し、メロディアスな〈歌〉パートの導入など意欲的な試みも施したメジャー・ファースト・シングル

Crossfaith “MADNESS”

 ロンドンのロウ・パワー・マネージメントとの契約以降、本格的な海外展開を行っているCrossfaith。今年は「いつかヘッドライナーを取る」と活動当初から公言していたUKの〈Download Festival〉のメイン・ステージに出演するなど、日本のマーケットを飛び越えた動きを見せる彼らの音楽は、当然の如く〈世界基準〉がキーワードとなっている。

 「いままで映像でしか観たことがなかった舞台で、しかも自分が好きだったバンドと対等にいると、少しずつ考え方も変わってきていて。昔はただ憧れていたけど、いまは完全に戦っている感じがしますね」(Tatsuya)。

 「確実に前進してきたというのは自信になるし、それがまた次の新しいものを生み出す力にもなっていて。やっぱり、〈経験がすべて〉というところはありますね。何を表現するにも、実際に経験したものと、ただ思っているだけのものとでは、中身も全然変わってくると思うんで」(Kazuki)。

Crossfaith MADNESS ソニー(2014)

 積み上げてきた経験や実績は、今回のメジャー・ファースト・シングル『MADNESS』にも反映されている。プロデューサーのデヴィッド・ベンデスとディスカッションを交えながらUSでレコーディングされた3曲のうち、“Dance With The Enemy”“S.O.S.”は日本で制作したデモを元に、表題曲の“Madness”はデヴィッドとの対話を経て渡米中に作り上げられた。

 「“Dance With The Enemy”は日本のスタジオでプリプロをしていたときに、〈めっちゃイケイケな曲が出来た!〉ってKazukiが聴かせてくれて」(Tatsuya)。

 「グルーヴのあるビート感や、いままでになかったビッグなサウンドはかなり意識しました」(Kazuki)。

 「“S.O.S.”は、Crossfaithが持っているSF感や、非現実的な世界観のある曲が1曲は欲しいなと思って作ったんですけど、今回からチューニングを変えて、よりヘヴィーになった勢いがイントロから表れていると思う。あと“Madness”だけは、デヴィッドが求めているものと俺たちが作ったデモ、どちらに照準を合わせても中途半端になると思ったので、アメリカで作ったもので」(Teru)。

 「“Madness”は端的にドロッとしたイメージがあったから、すごく生々しいものにしようと思って歌詞を書いたんだけど、やっぱり英語って母国語じゃないから、細かいニュアンスまではわからないところが多くて。書き直しになったところもあったし、それぐらい歌詞が重要であることを再確認させられました。自分の書きたいものは曲げないけど、独りよがりにならず、〈誰に向けて歌うのか?〉というのは重要だなと」(Ken)。

 また本作では、壮絶な咆哮でオーディエンスを圧倒してきたKenが、クリーン・ヴォーカルを取る場面も。前作『APOCALYZE』にも数曲収録されていたが、今回は全曲にメロディアスな〈歌〉パートを導入するという意欲的な試みで、楽曲それぞれの持つ世界観を押し広げている。

 「そこは一番大きな挑戦でした。このレヴェルに来ての新たなチャレンジには、すごく大きなリスクも伴うと思うんです。どういう反応になるのか楽しみ半分、不安半分な感じではあるけど、自分ができることを増やしていくのは重要だから。これからもどんどん挑戦していきます」(Ken)。

 海外進出において、これまで多くの日本人アーティストが直面したさまざまな壁を切り崩し、しかも、それがさも当然のように突き進んでいくCrossfaith。その頼もしい背中には、日本のロック・リスナーとして多くのものを託したくなる。

 「自分たちが主催する〈ACROSS THE FUTURE〉も、今回は海外からバンドを呼んでパッケージで回るっていう、日本ではあまりなかったツアーが組めたし、ゆくゆくは海外でもやりたいと思っていて。そうやって、みんながまだ夢にも見ていない展開を、僕らが見せていきたいと思ってます」(Hiro)。 

 

Crossfaith
Kenta Koie(ヴォーカル)、Terufumi Tamano(プログラミング/ヴィジョン)、Kazuki Takemura(ギター)、Hiroki Ikegawa(ベース)、Tatsuya Amano(ドラムス)から成る5人組。2006年に大阪で結成。2009年4月に初作『The Artificial Theory For The Dramatic Beauty』を上梓し、翌年には欧州全土でライセンスされる。2011年の2作目『The Dream, The Space』では全米デビューも果たし、2012年はEP『ZION EP』を50か国以上で発表。2013年には3作目『APOCALYZE』も送り出している。その間にはアジア/欧州/全米ツアーの敢行や各国のロック・フェス出演と着実に活動の場を広めるなか、メジャー・デビュー・シングル『MADNESS』(ソニー)を10月8日にリリースする。

 

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