
コナン・グレイの原点を改めて確認した夜
中盤からは、少しスローダウンして座って歌った“The Exit”、ひと際感情を込めて伸びやかなボーカルを披露した“The Cut That Always Bleeds”など、すぐ側で歌いかけているかのような親密度の高いスタイルで聴き入らせた。アコースティックギターを弾きながら“The Story”を歌った際には、「子どもの頃は死ぬのが怖くなかったけれど、成長して友達もできて、恋愛も体験し、歌を作り、自身を受け入れてくれるみんなと出会って、今は死ぬのが怖い」と胸の内を明かし、ファンは歓喜して悶絶。誕生日のファンのために、みんなでバースデーソングを歌う一幕まで飛び出し、終始、和気藹々と進行した。
そして最新アルバムのタイトル曲“Found Heaven”からは、いよいよ佳境へと突入する。高らかにギターが鳴り響く中、陽の出を思わせるドラマティックな黄色いライティングが施され、文字通りヘヴン(天国)を思わせる。ひと際大きな歓声で迎えられた“Boys & Girls”や“Lonely Dancers”も天国ムードの中、華やかなシンセサウンドとエレクトロニックなビートがアッパーに跳ねまくる。コナンもクルクル回転したり、ピョンピョン飛び跳ねたりと大立ち回り。一方の厳かでドラマティックな“Winner”からは、〈誰もが勝者だ〉というメッセージが確かに伝わってきた。アコースティックギターを抱えて、しっとり歌われた代表曲“Heather”や、さらには本編ラストの“Memories”になると、これが最後とばかりに大合唱が巻き起こり、中には泣き叫んでいるファンも。とはいえ、この後もハイライトはまだまだ終わらない。
アンコールはコスチュームを変えて再登場。上半身に白のタンクトップ、その上にキラキラのケープを羽織り、頭上にはミラーボールが出現した。ダンスクラブに迷い込んだかのようなシチュエーションの下、“Bourgeoisieses”を高らかに熱唱。続く“Maniac”では、カラフルな虹色ビームが飛び交い、ブロードウェイのミュージカルを思わせる華やかな演出だ。このポップな見せ方は、間違いなくこの日の一二を争うハイライトな瞬間だったと思われる。観客のシンガロングも最強だったが、終わった瞬間の割れんばかりの拍手と歓声が、その興奮を物語っていた。
ラストの“Alley Rose”では多彩な声色を巧みに操り、ワイルドなギター演奏でどんどん高みへと飛翔。その高揚感をカラフルな紙吹雪が最大限に盛り上げる見事な大団円だった。最後にコナンが「みんな大好き。おやすみ、またね、またね……」と日本語交りで語り、ステージを去る時の友人との別れを惜しむかのような表情が印象的だった。
今や世界中をツアーで駆け巡り、ファッション誌の表紙を飾り、メットガラなどにも参席し、すっかりセレブの仲間入りを果たしたコナン。だが、その中身は、YouTuberとして発信していた学生時代から、少しも変わっていない。他人と繋がりたいという気持ちが失われていないのを発見した嬉しいライブだった。彼を求めるファンの熱狂度には恐れ入るが、同時に彼がファンを求める熱量も圧倒的だ。コナン・グレイというアーティストの原点を改めて確認させられる夜だった。
SETLIST
1. Fainted Love
2. Never Ending Song
3. Wish You Were Sober
4. Eye Of The Night
5. Killing Me
6. The Exit
7. People Watching
8. The Cut That Always Bleeds
9. Jigsaw
10. Family Line
11. The Story
12. Astronomy
13. Found Heaven
14. Boys & Girls
15. Lonely Dancers
16. Winner
17. Heather
18. Memories
19. Bourgeoisieses
20. Maniac
21. Alley Rose