Ovallのベーシストによるソロ2作目にして、本人が立ち上げた新プロジェクト、L.Y.P.Sをフィーチャーしたフル・アルバム。渡辺翔太(ピアノ)をはじめとするプレイヤー陣からラッパー/シンガー勢までを動員し、ヒップホップ的なビートメイキング/エディットとジャズ・マナーの演奏とを融解させたサウンドを構築することに成功している。ピアノ・トリオによるワルツに5lackらが絡む冒頭、よれたビートに呼応する寺久保伶矢(トランペット)らのインタープレイ、Ruri Matsumuraをフィーチャーしたメロウ・ソウル……スリリングかつ端正で、スタンダードとも言い得る風格を備えた一枚だ。