私たちの日常の風景をすっかり変えてしまった、コロナ禍。それはまた、私たちの音楽の聴き方にも少なからず影響を及ぼしたと思います。以前好きだった音楽を受け付けなくなったり、あるいはそれまでスルーしていたような音楽に突如として心を奪われたり……。

そこでMikikiでは、ミュージシャンやレーベル関係者、レコード・ショップ関係者、ライブハウス関係者など音楽に関わって仕事をする人々に〈コロナ禍以降、愛聴している1曲〉を訊ねる新連載をスタート。その回答は一人ひとりのいまの心情を映し出すと同時に、災いに見舞われた人々に対して音楽がどのような意味を持つのか、そのヒントにもなるのではないでしょうか。 *Mikiki編集部

【アーティストと音楽関係者が選ぶ〈コロナ時代の1曲〉】記事一覧はこちら


 

関口シンゴ

Shingo Suzuki(ベース)、mabanua(ドラムス)と共にOvallとして活動。ギタリスト/プロデューサーとして、あいみょん、米津玄師、瑛人、秦基博、土岐麻子、矢野顕子、坂本美雨、藤原さくら、などをサポート。また、docomo(カンヌ国際広告祭で3部門入賞)、資生堂、リクルート、東急プラザ、GIBSONなどさまざまなCM音楽を手がける。シングル“North Wing”は700万回再生を超える大ヒットを記録。

 

コロナ禍以降、特に愛聴している1曲は何ですか?

Wes Montgomery “Eleanor Rigby”(67年作『A Day In The Life』収録)

このコロナ禍で改めて気づいたことは、自分にとってジャズのライブを鑑賞することがとてもとても重要であったことです。息づかいまで伝わる距離で繰り広げられるインタープレイ、じりじりとした集中力、そして生演奏ならではの音圧。あの空間がもたらしてくれる興奮や安らぎは何にも代えがたいものだなぁと実感しています。

そんなステイホーム期間中、少しでも臨場感や空気のある音に触れたい、と自然とレコードを手に取っていました。よく聴いているのはウェス・モンゴメリー。ウェスの親指ピッキングから繰り出される分厚いオクターブ奏法はやっぱりレコードで聴くと迫力満点。このビートルズのカバーである“Eleanor Rigby”は以前から好きでしたが、前はどちらかというとストリングスのアレンジに耳がいっていました。でも今聴くと中間のギター・ソロ・パートの自由なメロディーの動きに心が奪われます。

またゆっくりライブに行きたいのはもちろんですが、部屋でじっくりと音楽を聴いて今まで気づかなかった魅力を再発見するのもいいかもしれません。

 


LIVE INFORMATION: Ovall

2021年4月10日(土)、11日(日)CRAFTROCK CIRCUIT ’21
(Ovallは4月11日に出演)

時間:開場 12:00/開演 13:00
会場:東京・吉祥寺エリアライブハウス(CLUB SEATA/Star Pine’s Cafe/Kichijoji WARP/Planet K/SHUFFLE/MANDA-LA2)
料金:2日通し券 10,500円(1ドリンク600円別)/1日券 5,800円 (1ドリンク600円別)
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2021年5月15日(土)、16日(日)LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL
(Ovallは5月15日に出演)

時間:開場 11:00/開演 12:00
会場:埼玉・秩父ミューズパーク
料金(いずれも1日券):一般 11,000円/高校・大学生 6,000円/小・中学生 3,000円
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2021年5月29日(土)、30日(日)KOBE MELLOW CRUISE
(Ovallは5月30日に出演)

時間:開場 11:00/開演 12:00
会場:兵庫・神戸 KOBE MELLOW CRUISE 特設会場(神戸メリケンパーク)
料金:2日券 15,400円/1日券 7,900円/VIP TICKET(1日券)15,000円
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