新しい魅力
――アルバム半ば以降はいままでになく大人っぽい雰囲気も前に出てきます。まず“現実逃避”から新しい感じで。
ナオ「R&Bっぽいテイストの楽曲だし、現代のJ-Popと親和性があると思います。現実から目を背けたくなる気持ちとか、歌詞に描かれた心情を振付けに落とし込んでいるので、パフォーマンスでみんなの表現力が出たらいいなって思う曲ですね。私はモモチの歌う〈重なる影の向こう 青い朝月夜〉っていうパートがめっちゃ好きで」
レオナ「好き! 私も思った!」
ナオ「モモチっていつもシャカリキなイメージですけど、この曲では大人っぽい部分が出ていて好きです。こうやって低音域を歌うモモチも珍しいし、みんな新しい魅力が出せる曲なんじゃないかなって思うし、注目してほしいポイントです」
――次の“Make it blur”もさらにクールでかっこいいですね。
レオナ「女心を歌った曲です。〈キラキラ着飾ってクラブ行ったけど、やっぱダメだったな。でも、そういう時もあるか〉みたいな曲です。英語も多いし、私は初めてラップに挑戦したのでラップのレッスンも受けさせてもらいました。で、私がラップしてる後ろで3人がめっちゃかっこよく踊ってるのも観どころです」
モモチ「ホントに難しいんですよ、ナオの付けてくれた振りが(笑)」
ナオ「そうだよね。でも、みんな踊れると確信して付けたので、かっこいいダンスにも注目してほしいなって。この“Make it blur”はツアーの3公演目で発表したんですけど、いままでにないタイプの英語詞の曲だし、〈みんなどんな反応するんだろう?〉ってドキドキしながらパフォーマンスした記憶があります」
モモチ「でも、その後の反応がめっちゃ良くて嬉しかった。テイマーはこういう曲も好きなんだなって知れた(笑)」
――次の“AME”も暗めの疾走感がキャッチーです。
モモチ「これは私が〈欅坂46さんの“黒い羊”みたいな曲を歌ってみたい〉って話して、そこから作っていただいた曲です。曲自体は全然似てないんですけど、孤独と戦う自分を表現した暗めの曲にしていただきました。私ってキャラ的に明るく元気に見られることが多いんですけど、こう見えて、一人反省会とか毎晩するタイプで(笑)。明るい自分も嘘の自分じゃないけど、一方で暗い自分もいるのを無視したくなくて、そういう面も認めたうえでナイーヴな自分を鼓舞していく曲になった気がします。自分で聴いても凄く勇気を貰える曲なので、みんなにとってもそんな曲になったらいいなって思いながらパフォーマンスしています」
――続く“Bye Bye”もメランコリックなエレポップという雰囲気です。
レオナ「これは私が要望を出して作っていただきました。〈Perfumeさんっぽい曲がやりたいです〉みたいな話をして」
ナオ「“Make it blur”もそうなんですけど、制作時期に〈WACK in the U.K.〉でロンドンに行くことになったので、じゃあ現地でできる英語詞の曲を作ろうということで出来た曲です。初期の私たちなら歌えなかったんじゃないかっていう大人っぽいテイストで、レコーディングも〈囁くように歌って〉というディレクションもあったり、表現力が試される曲でした。音数が少なくて、シンプルなキックの音がメインなので、どういう振付けがベストなのか表現をいちばん考えた曲です」
――続いてのアッパーなダンス・チューン“Starry Carnival”は唯一メンバーの皆さんが作詞されたものですね。
レオナ「音で踊れる感じの曲で、サビはホントに自由に踊ってほしいような曲ですね。これは仮歌をいただいたところで〈カーニバル〉っていうテーマで1人ずつ作詞して、それを4人で持ち寄って組み合わせたものです。誰の修正が入るわけでもなく、全部自分たちで言葉のパズルみたいにして」
――その作り方だと思い入れも違ってきますね。
レオナ「そうなんです。個人的にはカーニバル=私たちのライヴというイメージで書いて、モンアイを知らない人もカーニバルに連れていくっていう気持ちで明るい歌詞にしました。〈正解はない 自由がいいの〉っていう歌詞は楽しみ方は自由だよっていう気持ちで書いたりして」
――誰の採用が多かったんですか?
モモチ「だいたい均等に。細かく組み合わせたので、1人だけだと単純になっちゃいそうな文章が、4人分を足したことで深みのある歌詞になった気がする」
レオナ「私の好きな歌詞は〈君が主役のノンフィクション〉っていうところなんですけど、これは私が〈君が主役のParty time〉って書いていて、そこにモモチが考えた〈ノンフィクション〉を足したらめっちゃいいんじゃない?ってなって。そういうのがいろいろ入っているので、歌詞にめっちゃ注目してほしいです」
――それは良い作り方でしたね。
モモチ「めっちゃ良かった、思いがけず。締切ギリギリまでかかったけど」
ナオ「一生終わんないかと思った(笑)」
――ちなみに、〈イニティウム〉って何なんですか?
モモチ「私が出した言葉なんですけど、3人はわりとライヴをカーニバルに見立てて書いていたのが、私だけ〈みんなで始まりのピースを探しに行く〉みたいな物語にしていて。〈モンアイになったうちらの始まりを一緒に探す冒険に行こうよ〉みたいな意味で、ラテン語で〈始まり〉とか〈起源〉っていう意味のイニティウムを入れました」
ナオ「〈ラテン語?〉って(笑)」
モモチ「けっこうラテン語を散りばめて書いてたので、一生イジられてます(笑)。こっちは真面目なんですけど」
――そこから、終盤らしいドラマティックな展開の“Go Away”です。
レオナ「これは別れを惜しんでいる歌で。それが恋人なのか、友達とかなのかっていうのは捉え方によって変わるので、好きに聴いていただきたいんですけど。ふんわりした振りが入ってたり、優しい曲だなって思います。これもモンアイらしい大人感とか色を出してパフォーマンスしていけたらなって思ってます」