変化を象徴する2つの新曲と17歳の頃に書いた“初夏”
常に進化と変化を繰り返しながら、歌い手としてのフィールドを広げているAdo。それを象徴しているのが、ベストアルバム『Adoのベストアドバム』に収められた2曲の新曲だ。
まずはDisc 1に収録された“ロックスター”。作詞・作曲を手がけたのはボカロPのjon-YAKITORY。タイトル通り、〈ロックスター〉としての存在感をダイレクトに示したこの曲は、Adoの激しくてカッコいい歌声をダイレクトに体感することができる。2020年に彼の楽曲“シカバネーゼ”をAdoが歌ったことも、彼女の名前が世に広まったきっかけの1つ。ベストアルバムのタイミングで両者が再びタッグを組んだことは、とても大きな意義があると思う。
Disc 2には“わたしに花束”を収録。HoneyWorksが手がけたこの曲は、聴き手の心に寄り添い、背中を押すようなパワーソング。リスナーひとりひとりに話かけるようなボーカルも心地よく、歌い手としての幅の広さを実感できる。登校や出勤といったシチュエーションにもよく似合い、年齢や音楽の趣味を超え、多くの人々を魅了することになりそうだ。
そしてもう1曲、Disc 2の1曲目“初夏”(作詞・作曲:Ado)にも触れておきたい。2024年夏に開催した自身最大規模の全国アリーナツアー〈モナ・リザの横顔〉で初披露されたこの曲は、彼女が17歳の頃から存在していた楽曲で、ツアーに合わせて書き直しをしたうえで完成したという。編曲は、人気アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の劇中バンド・結束バンドの楽曲の編曲を手がける三井律郎が担当。決して美しくない、憂いや歪みをまとった思春期の感情と鋭利なロックサウンドが1つになり、Adoの新たな表現へと結びついている。リアルな思いを映し出す歌詞も素晴らしく、“初夏”を聴いたリスナーは〈もっと曲を書いてほしい〉と強く思うはずだ。
日本文化を世界に発信するライブパフォーマー
4月末からは世界30都市以上を回る日本人アーティストとして最大規模となる〈Ado WORLD TOUR 2025 “Hibana” Powered by Crunchyroll〉が開催される。
Adoの初ライブは2022年4月東京・Zepp DiverCity (TOKYO)で開催されたワンマンライブ〈喜劇〉。同年8月には2ndワンマンライブ〈カムパネルラ〉をさいたまスーパーアリーナで行い、ライブパフォーマーとしての高いポテンシャルを証明した。その後もライブの規模を拡大し、2024年2月から4月にかけて初のワールドツアー〈Ado THE FIRST WORLD TOUR “Wish”〉を敢行。アジア、ヨーロッパ、北米を回り、世界中のオーディエンスを熱狂させた。同年4月には、女性ソロアーティストとしては初となる国立競技場での単独ライブ〈心臓〉を開催。そして全国アリーナツアー〈モナ・リザの横顔〉を成功させるなど、ライブにおいても著しい進化を続けてきた。
『Adoのベストアドバム』を引っ提げて行われる2度目のワールドツアー〈Ado WORLD TOUR 2025 “Hibana” Powered by Crunchyroll〉は、彼女自身のキャリアにとってはもちろん、日本のカルチャーにとってもきわめて大きな意味を持っている。その理由は、Adoの活動には歌い手、ボーカロイド、アニメなどさまざまな文化が密接に関わっているから。Adoがグローバルポップへと進出することは、日本のカルチャーを世界に発信することにつながっているのだ。