ヴェネツィア、ロンドン、ウィーン、パリ、ニューヨークの〈熱狂〉を東京で体感!

 2025年5月3日(土・祝)、4日(日・祝)、5日(月・祝)の3日間、東京国際フォーラムにてGW恒例の音楽祭〈ラ・フォル・ジュルネ TOKYO〉(以下LFJと略記)が開催されます。この音楽祭は1公演の時間が約45分と短く、複数の演奏会場で朝から晩まで公演が行われます。また、世界的な演奏家を招きながら、入場料も低く抑えられており、クラシック初心者や子供たちが気軽に楽しめるのが特徴です。2025年のテーマは〈Mémoires(メモワール)― 音楽の時空旅行〉。音楽の発展に多大な貢献をした都市とその時代にスポットライトを当てます。

©LFJ2024

 まずはバロック時代において西洋音楽の中心地であったヴェネツィア。同地で活躍したヴィヴァルディの作品は、テレマン、バッハ、ヘンデルなどドイツの作曲家たちに大きな影響を与えました。LFJではヴィヴァルディの有名な“四季”が5つの公演で、それぞれ趣を変えて取り上げられるのが注目されます。

 続いて産業革命期に経済発展し、西欧随一の音楽消費地となったロンドン。ヘンデル、ハイドン、メンデルスゾーンといった大作曲家たちが次々にロンドンに招かれ、新作を披露しました。LFJではヘンデルの“水上の音楽”、“メサイア”、ハイドンの“ロンドン”、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲などの名作が演奏されます。

 18世紀半ばにはウィーンが〈音楽の都〉として台頭。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ヨハン・シュトラウス、ブラームス、マーラーといった大作曲家たちがウィーンを拠点に活躍し、西洋音楽の中心地として今日に至っています。LFJではモーツァルトの “狩り”、“ジュピター”、ベートーヴェンの“交響曲第7番”、“皇帝”、シューベルトの“未完成”、“ます”といったポピュラー名曲に加え、演奏機会の少ないシューベルトのピアノ三重奏曲第2番、マーラーのピアノ四重奏曲断章、コルンゴルトのピアノ三重奏曲なども演奏されるのが注目されます。

©LFJ2024
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 19世紀から20世紀の変わり目には、世界の芸術家たちがパリに集結しました。サン=サーンス、フォーレ、ドビュッシー、サティ、ラヴェルといったフランス人作曲家はもちろん、外国からフランク、ファリャ、ストラヴィンスキー、ピアソラらがパリを拠点に活動しました。LFJではドビュッシーの“海”、ラヴェルの“ボレロ”、“ラ・ヴァルス”といった有名管弦楽曲をはじめ、前記した国内外の作曲家たちのピアノ曲、ギター曲、室内楽曲が多くプログラムされ、19~20世紀のパリ音楽界の百花繚乱を生演奏で再現してくれます。

 20世紀には経済的発展によりニューヨークの音楽市場が巨大化。アメリカ生まれのジャズが世界の音楽シーンを席巻し、作曲家ではガーシュウィン、バーンスタインが登場。ロシアから亡命したラフマニノフも大活躍しました。LFJではアメリカで生まれた名曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、ガーシュウィンの“ラプソディ・イン・ブルー”、“パリのアメリカ人”などが披露されます。また、山中千尋、壷阪健登、ポール・レイなど超一流のジャズ・ミューシャンが参加するのも聴きものと言えるでしょう。

 


LIVE INFORMATION
ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2025「Mémoires ― 音楽の時空旅行」

2025年5月3日(土・祝)〜5月5日(月・祝)東京国際フォーラム、⼤⼿町・丸の内・有楽町 ほか
https://www.lfj.jp/lfj_2025/