©teamMiura

ゴールデンウィークの〈国民的行事〉が4年ぶりに帰ってきた!

 2023年5月4日(木・祝)、5日(金・祝)、6日(土)の3日間、東京国際フォーラムにてクラシック音楽祭〈ラ・フォル・ジュルネ TOKYO〉が4年ぶりに開催されます! この音楽祭の特徴は1公演の時間が約45分と短く、複数の演奏会場で朝から晩まで公演が行われており、一日中音楽に浸ることができます。また、世界的な演奏家を招きながら、入場料も低く抑えられており、クラシックコンサート初体験者や子ども達が多く集う音楽祭として知られています。2023年のテーマは、やっぱり〈Beethoven ― ベートーヴェン〉! 今回の最大のポイントは、3会場で行われる50公演の中でベートーヴェンの有名曲が一通り生演奏で鑑賞できることでしょう。

 収容人数約5千人のホールA公演では、交響曲第3番“英雄”を角田鋼亮(つのだ こうすけ)、第6番“田園”を三ツ橋敬子、第7番を松本宗利音(まつもと しゅうりひと)という若手実力派指揮者により聴けるのが嬉しいところ。第5番“運命”は2024年12月をもって引退することを表明している巨匠井上道義が振るのが大注目。第9番“合唱付き”は音楽祭の最後を飾るように最終日の21時に開演。指揮は香港フィルの常任指揮者を務め、世界の主要オーケストラに客演を重ねてきたマカオ出身のリオ・クオクマン。公演タイトルの〈『人類はみな兄妹に・・・』。ベートーヴェンは熱く平和を歌う〉に相応しい起用となっています。

 ソリストとオーケストラが華麗な共演を聴かせる協奏曲でも注目公演が目白押し。旋律美際立つヴァイオリン協奏曲ではフランスのヴェテラン、オリヴィエ・シャルリエがソロを務め、ベートーヴェンが自身の妙技を聴かせるために書いた5曲のピアノ協奏曲では、第1番から第3番をジャン=フレデリック・ヌーブルジェ、福間洸太朗、亀井聖矢と日仏の期待の若手が担当。優美な性格をもつ名作第4番は世界で最も気品高い演奏を行うアンヌ・ケフェレック、文字通り全協奏曲中の“皇帝”第5番は巨匠アブデル・ラーマン・エル=バシャがソロを務めます。3人のソリストが立つ隠れ名曲、三重協奏曲では辻彩奈(ヴァイオリン)、伊東裕(チェロ)、レミ・ジュニエ(ピアノ)という豪華な顔ぶれが揃います。

©teamMiura

 中規模のホールC、小規模のホールD7ではピアノ・ソナタやヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ、弦楽四重奏曲などの編成の小さな作品が、やはり世界的な演奏家たちによって演じられており、チケットが手に入れば至福のひとときを味わえること請け合い。また、ディープなクラシック・ファンにとっても、19世紀から21世紀のベートーヴェン作品編曲およびオマージュ作品が公演に織り込まれており、2台ピアノのための“ロール・オーヴァー・ベートーヴェン”、今回が初演となる三浦秀秋作曲の“ベートーヴェン・エクスプレス”など、珍しい作品に出会える貴重な機会となっています。

 大人から子供まで、ビギナーからマニアまで、ともに楽しめる音楽祭の復活は、クラシック音楽界のみならず、広く日本社会に元気を与えてくれることでしょう。

★TOWER RECORDS ONLINEのLFJ特集はこちら!

 


LIVE INFORMATION

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2023
Beethoven ――ベートーヴェン

2023年5月4日(木・祝)、5日(金・祝)、6日(土)
会場:東京国際フォーラム/大手町・丸の内・有楽町/東京駅/京橋/銀座/日本橋/日比谷
https://www.lfj.jp/

 


LFJ関連おすすめCD