SNSで話題沸騰の大人気TVアニメ「ダンダダン」オフィシャル・ピアノ・ソロ楽譜集が遂に登場!

 怪奇との遭遇。オカルティックバトル。あるいは青春ラブコメ――。それらすべてを内包しながら、既成のジャンルを超越した新感覚ストーリーで話題のコミック「ダンダダン」(龍幸伸、集英社)。霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモと、同級生のオカルトマニア・オカルンのヒップな大活劇は、2024年秋のTVアニメ化と同時に社会現象とも言えるヒットを生み出した。

 スタイリッシュで外連味あふれる世界観に大きく貢献しているのが、牛尾憲輔によるダンサブルな音楽だろう。それらはアニメーション制作を担当する〈サイエンスSARU〉の表現スタイルとあいまって、リズミカルに本能を刺激する。圧巻のバトルシーンにも、モモやオカルンが宇宙人や幽霊とともにダンスを踊っているかのような、不思議な浮遊感が漂うのだ。

 異世界へのトリップ装置のようなOP・EDの存在も忘れられない。TVアニメ第1期のOPテーマ曲“オトノケ”は大人気HIP HOPユニット〈Creepy Nuts〉、EDテーマ曲“TAIDADA”はACAねによる形をもたない音楽バンド〈ずっと真夜中でいいのに。〉が担当。DJ松永が「『この世界に無い曲作ったぞ』と思えた」と語る、“オトノケ”の原始的で疾走感あふれるビートはとりわけ印象的で、原作が持つ独特のテンポにも、ふいに描かれる怪異たちの悲しみにもリンクする。

『ピアノ・ソロ TVアニメ『ダンダダン』』 シンコーミュージック(2025)

 そんな2曲が、オフィシャル・ピアノ・ソロ楽譜集となって登場した。収録された楽譜は、音名カナ付きの音符で初級者でもすぐに演奏できる〈初級ピアノ・ソロ〉、原曲の雰囲気を活かした〈中級ピアノ・ソロ〉、弾きごたえ抜群で誰かに披露したくなる〈上級ピアノ・ソロ〉の3形態。「HIP HOPをピアノで!?」と驚きつつ鍵盤で音を追いはじめると、いつしか〈あのビート〉が体中に満ちあふれ、ワクワクが甦る。名場面カット満載のカラーページも嬉しい楽譜集を片手に、今夏スタートの第2期を待ちわびよう。