トラッドやジャズ、スロウコアなどを溶解させた幽玄なサウンドで、UKフォークの深い森へと聴き手を運んだ初作から3年、ロンドンの即興集団8人組がセカンド・アルバムを完成させた。先行曲で迎えたキャロライン(!)・ポラチェックのハマりっぷりにも驚いたが、オレンジ・ミルク周辺の実験的な電子音楽が着想源としては大きかったようで、前作以上に音作りは前衛的かつ瞑想的。ふわふわと空気を漂っているかのようなメロディーと、アレックスG直系の加工されたヴォーカル、さまざまな距離感で鳴らされる音の数々が重なり、複雑で重層的な歌世界を耳の中に構築する。