Koongによるグラフィックノベル「Pointilism」の日本語版出版を目指すクラウドファンディングプロジェクトがおこなわれている。
このプロジェクトは、タイ・バンコク在住のコミックアーティストであるKoongの作品を日本語で出版するためのもので、出版ユニット/レーベル(TT) pressが主催している。(TT) pressによれば、〈私たちが大好きな、仲良しカップルの「ふつうで特別な日常」を、日本の読者の皆さんにも届けたいと考えています〉とのこと。

今回、日本語版出版を目指している「Pointillism」は、Koongによる初のグラフィックノベル集。仲良しカップルのDanとKraamの、ささやかな日常の瞬間を描いた作品だ。




ひとり音楽を聴きながら、ふと相手を思い出すふたり。


酔っ払ったKraamを迎えに行ったDan、その夜の出来事。
以下はクラウドファンディングのページからの引用。
一緒に料理をする、ゲームをする、プリクラを撮る。不安で眠れない夜、仕事に悩んだ日、祖母を亡くしたとき──。楽しいときも、そうでないときも、そばで寄り添い合う二人の姿が、たまらなく愛おしいです。
2024年に発売されたこの作品は、私たちの本屋・platform3でも販売し、多くの方に手に取っていただきました。大変好評だった一方で、「英語なので読めない」という声も少なくありませんでした。そこでこのたび、より多くの方にこのコミックを楽しんでもらいたいという思いから、日本語版の制作を決意しました。
なお日本語版には、描き下ろしの新たな表紙とエピソードが追加されるそうだ。


このプロジェクトを主催している(TT) pressは、Mikikiでたびたび撮影してもらっているフォトグラファー/フィルムディレクターともまつりかと丹澤弘行によるインディペンデントな出版ユニット/レーベル。東京・東中野でloneliness booksとともに、〈platform3〉という人と本が集まる場所を運営している。platform3はアジア、クィア、フェミニズムのカルチャーにまつわる本を中心に扱っており、オリジナルの英語版「Pointillism」は日本で唯一、同店で販売されていた。
これまでに(TT) pressは、〈眠れない夜〉をテーマにしたインタビュー集「sleepless in Tokyo」や、韓国で独立出版やフェミニズムに携わる人々に話を聞いた「ソウルのともだち」など、かれらがその時々に興味を持った分野や人々とともにZINEを制作している。


そんな(TT) pressとKoongとの関係は下記のとおり。
Koongさんとの交流は、私たちが2024年11月にバンコクのブックフェア「Printprint」に参加したことをきっかけに始まりました。platform3で本を販売しているご縁で、Koongさんはサプライズでブックフェアに駆けつけてくれて、おいしい差し入れと手紙、そして似顔絵をプレゼントしてくれました。
滞在中には一緒にご飯を食べて親睦を深めました。タイドラマの中で見た、焼肉と鍋が同時に食べられる夢のような料理「ムーガタ」を一緒に食べながら、お互いの身の上話や作品の話をしたり、この時に日本語版を作る話を持ちかけると、Koongさんも「いつか日本で自分の作品を出したいと思っていた」と言ってくれました。ここでの話が私たちのプロジェクトにつながっています。
クラウドファンディングプロジェクトの支援金は版権利用費、翻訳費、編集・デザイン・DTP費、印刷・製本費、発送・流通・宣伝費など、本の制作から読者の手元に届けるまでにかかる費用に使用される。またこのプロジェクトはプロダクションファンディング(All in)方式で、目標金額に達しなかった場合も不足分は(TT) pressが補填し、「Pointillism」日本語版の書籍化やリターンの発送が必ず実現されるという。
クラウドファンディングで多くの支援が得られた場合、本の装丁やデザイン、グッズ制作により多くの予算を割けるため、作品の完成度はさらに高まる。興味を持った人はぜひ参加しよう。プロジェクトの詳細やリターン・特典についてはMotion Galleryのページをチェックしてほしい。