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素直すぎる歌詞

 NAOKIに言わせると、とにかくすべての歌詞が赤裸々な実話だ。“MY BIG BROTHER-少年Nの場合-”は、2つ年上の野球が好きな兄貴をまぶしく見つめる、幼い弟の視点が微笑ましい童心ソング。そうかと思えば“オレたちは…”のように、決して拭い去れない過去の記憶に触れた、どうしようもない寂しさに包まれた歌もある。“未来の君たちへ”のように、難病に侵された身から目をそらさず、子どもたちの未来に夢を託した歌もある。

 「故郷の尼崎では〈宮本家失踪事件〉ということになってるんだけど、TAISHOは18歳の時に夜逃げで否応なしに東京に連れてこられてるんですよ。尼崎で組んでたバンドの奴らにも、付き合ってた彼女に別れも告げずに。それでもやっぱり青春の思い出が恋しくて、しばらく経ってメンバーに会いに行ったけど、〈もう一緒にはできない〉って言われたとか、久しぶりに会った彼女に男がいたとか、本当にあったことを書いてるのが“オレたちは…”。俺にもいろんなことがあったから、すごくこの詞がわかるんですよ。そんなふうに人生は残酷だし、どんな人生が待ち受けてるかなんて誰にもわからないけど、でも君たちは笑顔で未来を救うんだよって、子どもたちに向けて歌ってるのが“未来の君たちへ”。あいつは何よりも人の幸せを祈っていて、〈みんなが元気やったらええ〉って口癖のように言ってる。難病で、息子も事故で亡くしてて、それを背負ってこの詞が書けるという、その覚悟はすごいですよ」。

 そんなにシリアスなテーマの曲が多いと気が重くなるんじゃないか、そう思った人も心配はいらない。アルバムは想像以上に多彩な歌詞と曲調で溢れている。陽気なロカビリー・スタイルの“OH, WHAT A NIGHT”を聴いてみよう。ロマンティックなソウル風味の“シャンパングラスとバージニア”を聴いてみよう。

 「弟の奥さんとしゃべってたら、〈1曲目だけ聴かせてくれたけど、あとは聴かせてくれない〉だって(笑)。“OH, WHAT A NIGHT”なんて、女に飢えてるとかいろいろ書いてるし、下半身が疼くような詞もあるから、聴かせられないんじゃないかな(笑)。でも俺も楽しめましたよ。〈君の赤いビキニ〉なんてワード、俺が歌うと気持ち悪いかなと思ったけど、歌ってるうちに気持ちよくなっちゃった。少し恥ずかしい歌詞って、実は歌い込むと気持ちいいとか、そういうことを教えられた気がするね。この素直すぎる歌詞たちには」。