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人生観もファンへの思いも歌った『LIFE』の歌詞世界

――声だけでわかるっていうのは、素敵な話ですね。本題ですが、アルバムの話も伺いたいと思います。今回のアルバム『LIFE』の中でも“Week”は特に重要な曲だと思いますが、どういった気持ちで書かれた曲なんでしょうか?

Mel「これは、僕が今の世の中に対して思っていることを、割と素直に書いた歌詞になっていますね。以前は、〈自分はこう思う〉というような歌詞は書かなかったんです。〈それは違う、そうじゃない〉という反対の意見もあるだろうし。でも、せっかく音楽をやっているんだし、思いを発信できるのであれば、自分の気持ちを歌詞に書いてみてもいいんじゃないかって、この1年くらいで考えが変わってきたんです。

“Week”に限らず、今回のアルバムはそこが以前とは違うと思います。前作のアルバム『ノンフィクション』では、タイトル通り〈こういう人がいて、こういうことがあった〉というように、ひたすら自分の過去の出来事などを歌にしたんですけど、今回はそこに〈それに対して、自分はこう思った〉という視点がある、人生観などが反映された歌詞が増えました。

そういう歌詞の書き方になったのは、人前で初めてライブをやったことがきっかけだったかも知れません。それまで自分の曲に対する反応はネットのコメントだけだったのが、実際に自分の音楽を聴いてくれる人たちを目の当たりにして〈この人たちに自分は音楽を届けているんだ〉という意識を持ちました」

――ライブであったり、ファンへの気持ちだったり、実体験が歌詞に反映されているんですね。

Mel「“To me”も、応援してくださってるリスナーに向けて作った曲ですね。ライブ中は一体感があって凄く幸せだけど、ライブが終われば、お客さんはバラバラにそれぞれの生活に帰っていって、ちょっと寂しくなるというか。でも、〈また会いましょう〉と。簡単に言っちゃうとそういう歌なんですけど、それは来てくれるファンの皆様への素直な気持ちですね」

――ラブソングかと思ったら、ファンに宛てた曲だったんですね。

Mel「ファンへのラブソングですね。

それと、”フライト”っていう曲は、僕が夜行性の人間なので、その気持ちを歌にした、夜ふかしを肯定する曲なんです。夜ふかしして気づけば朝になっていると、世間に取り残されているというか、皆はもう〈今日〉を生きているのに、自分だけまだ〈昨日〉の世界に置いてかれてるというか。そんな自分を救う曲と言ったら大袈裟ですが、そういう人って自分以外にもいると思うので、眠れない夜を過ごしている時には、この曲を聴いてほしいです」

――Melさんの歌詞には夜空や星といったモチーフがよく登場する印象です。これは、地元である北海道という土地の影響でしょうか?

Mel「あるかも知れませんね。僕が住んでるのは、北海道でもかなり田舎の方なんですよ。だから、星はめちゃくちゃ見えるんですね。夜って僕にとっては落ち着く時間だし、その時間帯に曲を書いてることで、環境からの影響はあると思います。

ただ、アルバム全曲が実体験という訳でもなくて、例えば“神様の空想論”は、去年出した“神様の運命論”っていう曲のアンサーソングなんですけど、自分の視点ではない歌詞になっています」

――確かにこの曲の歌詞は、女性の言葉遣いっぽいですよね。

Mel「それから“サマーメイド”も人魚姫がテーマの歌だし、ちょっとSEKAI NO OWARIの曲っぽいファンタジーというか、架空のシチュエーションですね。アルバムにはそうやって、フィクショナルな部分もスパイスとして入れています」

――恋愛がテーマの歌詞も多いですが、実体験から来ているのでしょうか? 想像で書いているのでしょうか?

Mel「“神様の空想論”の前作“神様の運命論”は『ノンフィクション』の収録曲なので実体験に基づいて書いてて、“Down”と“Twinkle city”は……制作時に恋をしてたんですかね? 濁しておきます(笑)。“片手”も事実に基づいてる部分があって、全体的にストレートな歌詞が多いです」

――“サマーメイド”は夏、最後の“片手”は冬の歌ですよね。そういう季節のサイクルも、〈LIFE〉というアルバムタイトルと紐づいてるように思いました。

Mel「もともと、季節の歌を作ることは今まであまりなかったんです。年中通して聴ける歌の方が、僕は好きだったので。でも、今回はチャレンジしてみました。夏の歌と冬の歌でバランスを取ってますね」