誰も真似できない領域へ
そして9月、Number_iにとって2枚目のフルアルバム『No.Ⅱ』がリリースされた。同作は期間限定でタワーレコードでも販売され、これまで以上に多くの音楽リスナーがNumber_iの音楽に触れる機会が生まれた。
『No.Ⅱ』には神宮寺プロデュースの“LOOP”でtofubeatsが参加しているが、そのほかの楽曲はNumber_i、Pecori、MONJOE、SHUNで制作しており、前作『No.Ⅰ』以上にNumber_iをディープに感じられる作品になっている。3人がどんな心境で『No.Ⅱ』の制作に取り組んだかは、ぜひ以下のインタビューで確かめてもらいたい。
アルバムのなかで特にトリッキーな楽曲を選ぶなら、やはりリードトラックの“未確認領域”だろうか。クラシカルなストリングスでいきなりリスナーの度肝を抜き、そこから雪崩れ込む岸、平野、神宮寺のラップパートから本格的に楽曲の本編に突入していく。特に2番のプレコーラスにおける音抜きの部分など大胆なアレンジも聴きどころで、MVではNumber_の作品ではこれまで見たことがないユニークな世界観を築き上げている。
先日放送された桑田佳祐のレギュラーラジオ「桑田佳祐のやさしい夜遊び」では、〈桑田佳祐が選ぶ、2025年邦楽ベスト20〉の1曲として“未確認領域”が選出され大きな話題となった。“未確認領域”について桑田は、「重低域がすごい出てる。家で聴いていたら天井がミシッて鳴るんだよ」「以前と違ってこういうのが様になってきたよね、日本人も」「仕掛けがいっぱいあって面白い。日本国内というよりグローバルを意識してる感じ」と評していて、日本を代表するソングライターにもNumber_iのクリエイティブが届いた瞬間だった。
また、アルバムリリース直前に先行配信された“Numbers Ur Zone”もNumber_i流のブロステップといったところで、ライブだと一段と映える楽曲である。先日幕を閉じた全国ツアー〈Live at Number_i LIVE TOUR 2025 “No.Ⅱ”〉では、ビートにあわせた音ハメが心地よく、今後も3人のダンススキルを披露するアップチューンとしてライブで機能しそうだ。
11月には新曲“LAVALAVA”を追加した『No.Ⅱ』のデラックス盤『No.Ⅱ(Deluxe)』を配信リリースしたNumber_i。ヒップホップビートを用いた従来のトラックとは異なり、UKガラージを採用したシティライクな90sクラブチューンといった感じでサビ部分の〈LAVAダンス〉も現在SNS上で大きな注目を集めているようだ。
2025年のNumber_iにはまだ「第76回NHK紅白歌合戦」という大きな舞台が控えている。今回は“GOD_i”を披露するそうだが、一体どんなステージになるのか非常に楽しみだ。
ドキュメンタリー内で3人は今後目指す音楽について、〈Number_iにしかできない音楽を作る〉という意見で一致していた。制作過程を明かし、不安や迷いを口にする3人の姿をドキュメンタリーで見て、3人が確かな信頼で結ばれていることもわかった。Number_iは来年、誰も真似できない領域へと足を踏み入れていく。