米国生まれながら英国で活動を始めたジャズ歌手のステイシー・ケントの新作は、近年絡んでいる米国人ピアニスト/鍵盤奏者のアート・ヒラハラと旦那であるジム・トムリンソン(管音からコーラスまで、いろいろ内助)のトライアングルで録られた。隙間を最大限に活かす広がりあるサウンドのもと、レナード・バーンスタインやジョニー・マンデルの美曲、ブライアン・ウィルソンやスティーヴィ・ワンダーのポップ曲、セルジュ・ゲンズブールの仏語曲やピンギーニャのポルトガル語曲などが、彼女の余韻に満ちる歌唱とともにあるべき所に収束。落ち着いた佇まいとしなやかな視点の取り方が魅惑的に溶け合う。