INTERVIEW

マルコス・ヴァーリ、成熟した手触り持つステイシー・ケントとの共演ライヴ映像から浮かんだ豊かな人間性

マルコス・ヴァーリ、ステイシー・ケント『Live at Birdland- New York City (From Tokyo to New York) 』

Photo by Takuo Sato

 

ジャズへの思いを形にしたライヴDVD ドキュメンタリーには来日の様子も収録

 このブラジル音楽界の軽妙才人は、2014年でデビュー50周年を迎えた。そして、それを祝うアルバムが『マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント・ライヴ』だった。同作はリオで行われた、英国経由で人気を得た米国人ジャズ歌手のステイシー・ケントとの共演記念ライヴをソースとするもの。そして、その続編とも言うべき彼とケントの双頭作『ライヴ・アット・バードランド』は、2014年12月にNYのクラブで持たれたライヴを基に置く2枚のDVDとCDがパッケージされた作品だ。

MARCOS VALLE,STACEY KENT Live at Birdland- New York City (From Tokyo to New York) Sony Music Entertainment(2016)

 「最初のライヴ盤を僕もステイシーもとても気に入った。それで、次はDVD作品を作ろうとなった。で、やるのだったら、ついでにドキュメント映像もプラスして入れようと僕が提案して、DVDの方は2枚組となった」

 より成熟した手触りを持つ今作は、より直裁に彼が秀でたジャズ・マン~ピアニストであることを伝える。

 「確かに、僕のジャズへの思いというのをちゃんと形にしてくれたDVDだと思うな。ジャズ・ピアニストで僕が一番好きなのは、オスカー・ピーターソンなんだ。彼をはじめジャズからはすごい影響を受けてきたし、特にアコースティック・ピアノを弾くと、ジャズ・フィーリングというのがよく出る。フェンダー・ローズだと、ポップス寄りの妙味が引き出されるのに対してね」

 かつ、映像作品であるということで、彼の豊かな人間性のようなものがぽっかりと浮かび上がるのも、今回のDVD作品の美点だろう。

 「僕は会場のオーディエンスを楽しみ、アンビエンスを楽しむ。それこそは、ライヴの場を親しむ秘訣だね。元々僕の音楽っていろんな影響を取りまぜた折衷的なものなので、様々な表情が出やすいんだと思うな」

 新作には、大作詞家である故ヴィニシウス・ヂ・モライスの近年になって発見された詩に、新たにヴァーリがメロディをつけた曲も収められた。

 「その詞を見たときに、湧き上がる気持ちがあって、僕がやらなきゃと思った。そして、そのシンプルな愛の歌詞を細心の心配りとともに美しい曲に昇華させることを心がけた」

 DVDのディスク2たるドキュメンタリーの方には、2014年4月に行われたブルーノート東京での実演の様やライヴ外の東京でのシーンも収録。ヨーロッパ盤ながら、そこにはちゃんと日本語字幕が付いている。

 「日本の場面も入っているし、ぜひ日本語の字幕を入れたいと思った。だって、僕にとって、日本は大好きな、とても大切な国だからね」

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