宇多田ヒカルの7インチアナログ盤『パッパパラダイス』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ 宇多田ヒカル 特別号」を発行! ここでは中面に掲載された、本作を紐解いたレビューを掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です!※
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宇多田ヒカルが新曲“パッパパラダイス”の7インチアナログ盤で、甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)と奇跡のコラボ。日々の重荷を抱えた〈かつて子供だった大人たち〉へ贈る人生讃歌に、なぜ甲本ヒロトが必要だったのか。“パッパパラダイス”がエンディング主題歌として起用されているTVアニメ「ちびまる子ちゃん」との共通点から、その必然の理由を紐解く。
宇多田ヒカルと「ちびまる子ちゃん」とのコラボは必然だった
5月6日に配信リリースされた宇多田ヒカルの新曲“パッパパラダイス”。「ちびまる子ちゃん」の約6年半ぶりとなる新しいエンディング主題歌として3月末からすでに放送されており、リリースに先んじて聴き馴染んでいたリスナーもいるのではないだろうか。同アニメの原作者であるさくらももこ自身が生前、宇多田を愛聴していたことでさくらプロダクションからエンディング主題歌のオファーがあり、また宇多田自身も幼少期よりさくらももこ作品に影響を受けてきたことから実現した、相思相愛のコラボレーションだ。
「ちびまる子ちゃん」といえば、〈明日から平日が始まるな〉という日曜の夕方のちょっぴり憂鬱な気分に、35年以上寄り添ってきた国民的なアニメである。主人公のまる子や周囲のキャラクターたちによる、どこにでもあるけれど個性的な日常を、ちょっぴりシニカルに、けれども慈しみを持って描き出す「ちびまる子ちゃん」。宇多田自身、本曲のリリースにあたり「日常の見逃されてしまいそうな小さな場面に起こる呼びようもないけど誰しもが感じたことのある気持ちの繊細な描写、どんな時もユーモアと好奇心を忘れない鋭くも救いにも溢れた眼差し、混沌とした世界と人間のカッコ悪さや受け入れ難い部分をも包み込む優しさ」をさくらももこ作品から教えてもらったと語っていたが、そのような人間の良いところも悪いところも、どちらも愛さずにはいられないところ、またそうした視点が老若男女に長く受け入れられている(宇多田もまもなくデビューから30年を迎えようとしている)という共通点を持つ「ちびまる子ちゃん」と宇多田のコラボは、ある種、必然だったように思える。
そしてこの“パッパパラダイス”の7インチアナログ盤が完全生産限定盤としてリリースされる。何といっても注目すべきは、このアナログ盤に収録されている甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)とのコラボバージョン“パッパパラダイス feat. 甲本ヒロト”だ。楽曲自体は原曲と変わらないものの、甲本の唯一無二な歌声が加わることでまた一層、人生讃歌としての楽曲の温かさや深みが増して聴こえてくる。
2人は今回互いに初対面だったそうだが、では、そもそもなぜ宇多田は他でもない甲本にこの“パッパパラダイス”でのコラボをオファーしたのだろうか。その背景を想像するためのヒントは、この曲の歌詞とメッセージに隠されているように思う。
