サラ・ブライトマンがニューアルバム『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』をリリースした。本作には新曲のほか、現在日本で特別公演が行われている主演ミュージカル「サンセット大通り」の楽曲なども収録されており、サラの様々な表情に触れることができる一作となっている。新作におけるこだわり、上白石萌音とのコラボなどについてサラ本人に語ってもらった。 *Mikiki編集部

今だからこそノーマ・デズモンドの心情を理解できると思った
ジャンルを超越した世界的ディーバ、サラ・ブライトマンが2018年の『HYMN~永遠の讃歌』以来、約8年ぶりとなるオリジナルアルバム『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』を発表した。前作と同じく、かつて公私ともにパートナーだったフランク・ピーターソンがプロデュースを手がけた本作は、彼女が主演するミュージカル「サンセット大通り」の日本公演に合わせた絶妙なタイミングでのリリースとなった。
「サンセット大通り」は、1980年代にヒット作を連発し、世界中の劇場を今も席巻し続けている作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーが手がけた傑作ミュージカルのひとつ。名匠ビリー・ワイルダー監督がハリウッドの内幕を描いた1950年公開の同名映画を完全ミュージカル化したものであり、1993年にロンドンで初演、1995年にはブロードウェイでも上演され、第49回トニー賞で最優秀ミュージカル作品賞、オリジナル楽曲賞、最優秀ミュージカル主演女優賞(グレン・クローズ)ほか7部門に輝いた。なお、2025年には再びトニー賞でミュージカル・リバイバル賞、ミュージカル主演女優賞(ニコール・シャージンガー)ほか3部門を受賞している。
サラ・ブライトマンはキャリア初期にロイド・ウェバー作のミュージカルに数多く出演し、特に「オペラ座の怪人」(1986年)の初代クリスティーヌ役でブレイクを果たすが、その後はクラシックとポップスを融合したスタイルのソロ歌手として大成功を収め、ミュージカルシーンからは遠のいていた。今回の「サンセット大通り」は、そんなサラにとって実に30年ぶりに出演するミュージカル作品なのである。
「(『サンセット大通り』は)2024年のオーストラリアを皮切りに、シンガポール、中国、台湾でも好評をいただいたプロダクションなので、やっと日本で上演することができて嬉しいです。皆さんが私の出演するミュージカルを観るのは、きっと今回が初めてだと思います。いつもコンサートのステージでは、曲ごとに様々な自分を披露していますが、こうしてある特定のキャラクターを演じきるのも楽しいものです」
彼女が演じるのは、ハリウッドのサンセット大通りにある大邸宅で執事と暮らす、世間から忘れられたサイレント映画時代の大女優ノーマ・デズモンド。ある日そこへ、鳴かず飛ばずの脚本家ジョー・ギリスが偶然迷い込み、お金に困っていた彼がそのまま屋敷に住み着いたことから、やがて悲劇が巻き起こる。
「オファーをいただいた時、自分にはこの役を演じる準備ができていると感じました。経験や年齢を重ねた今だからこそ、誰よりもノーマの心情を理解できると思ったのです。でも最初は少し躊躇しました。なぜなら、初演のパティ・ルポーンをはじめ、これまでノーマ役は低い声のキャストが演じ、歌ってきたから。それでアンドリュー本人に相談してみたら〈元々は君の音域を想定して書いたものだから、きっと自然にできるはずだよ〉と言われて、確かにノーマはオペラやオペレッタを今のポップミュージックのように聴いて育った世代で、彼女の歌も同じくクラシカルなテイストで書かれている。それなら私にもぴったりだと思ったのです。
もちろんリハーサル当初はなかなか身体がついていかず……近年は一度に歌って踊って演技するようなことをやってなかったから(笑)。大変でしたが、やはり筋肉が憶えてくれていた。すぐにペースを掴んで、演技に集中することができました」
〈ブライトマン流〉のアレンジで生まれ変わったミュージカル曲
ニューアルバムに収録された “アズ・イフ・ウイ・ネヴァー・セッド・グッドバイ”は、「サンセット大通り」を代表する名曲のひとつ。パラマウントから連絡を受け、旧友のセシル・B・デミル監督の撮影所を訪れたノーマは、懐かしい現場で栄光に満ちた大女優としての日々を思い出す。昔なじみの照明係からスポットライトを当てられ、スタッフたちにあたたかく迎えられたノーマは、長らく夢見ていた映画界への復帰を確信し、この曲を歌う。なお、この曲はバーブラ・ストライサンドがアルバム『バック・トゥ・ブロードウェイ』(1993年)でいち早く取り上げており、その後も様々なアーティストによってカバーされている。
「“アズ・イフ・ウイ・ネヴァー・セッド・グッドバイ”は、今回かなり大胆なアレンジを施して生まれ変わらせてみました。きっと驚かれると思います。正統派のバージョンを聴きたい方は、ぜひ生のステージの方で(笑)。アルバムではあえて一般的なアプローチを避けるのが〈ブライトマン流〉なのです」
本作には、他にもロイド・ウェバーが手がけたミュージカル作品のナンバーが盛り沢山。「オペラ座の怪人」の続編(2010年)から“ラヴ・ネヴァー・ダイズ”、「アスペクツ・オブ・ラヴ」(1989年)から“マーメイドの歌”(有名な“ラヴ・チェンジズ・エヴリシング”ではないところもポイント)、そして本家「オペラ座の怪人」(1986年)から1991年の「NHK紅白歌合戦」でも歌われた“ミュージック・オブ・ザ・ナイト”と、いずれもこれまでのレコーディング音源とは違う雰囲気で楽しめる。
「特に今回の“マーメイドの歌”のアレンジは自信作。オリジナルはワルツ風の曲ですが、それをストラヴィンスキーっぽくしてみました。演奏してくれたオーケストラのメンバーにも大好評でした」
ビートルズ曲も取り上げ〈含み〉を持たせたアルバムに
映画関連の楽曲は2曲。“レイチェルズ・ソング”は鬼才ヴァンゲリスがリドリー・スコット監督によるSF映画の金字塔「ブレードランナー」のために書いた楽曲を再構成したアルバムから、そして“ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト”は巨匠エンニオ・モリコーネが手がけたセルジオ・レオーネ監督による同名映画のサントラからそれぞれピックアップ。どちらも美しいヴォカリーズが印象的な曲である。
「モリコーネさんも亡くなられたので、もう“ネッラ・ファンタジア”(1998年作『エデン』の収録曲、映画『ミッション』のためにモリコーネが書いた器楽曲に本人の許可をもらってサラがイタリア語の詞をつけた)のようなカバーが叶わないのは残念ですが、私も本来はヴォカリーズが大好き。今回の2曲もとても私らしく歌うことができたので満足しています。サウンドがよりコンテンポラリーになっているのも聴きどころです」
ポップスの名曲も一筋縄ではいかない。“ワン・デイ・アイル・フライ・アウェイ”は、しっとりとした静かな曲調が胸を打つR&B系シンガーのランディ・クロフォードが1980年にリリースしたヒット曲。ここではバズ・ラーマン監督の映画「ムーラン・ルージュ」の劇中でサティーン役のニコール・キッドマンが歌い上げた雰囲気に寄せている。
“ヒア・カムズ・ザ・サン”も言わずと知れたジョージ・ハリスン作のビートルズ曲だが、こちらもシルク・ドゥ・ソレイユによるミュージカル「ラヴ」のサウンドトラックに収録されていたバージョンを彷彿とさせる。なお、ミートローフのソロ第1弾アルバム『地獄のロック・ライダー』(1977年)の収録曲をカバーした“天国からの招待状”はそのセレクションに驚かされたが、意外に彼女の世界観とマッチしている。
「今回のアルバムを単なる名曲のカバー集や、映画音楽、ミュージカル音楽のソングブックのような一枚にしたくはなかったので、アレンジと選曲にはかなりこだわりました。タイトルを『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ』にしたのも、そこに何か〈含み〉のようなものを持たせたかったからです」

女性同士のリレーションシップを歌った上白石萌音とのデュエット
新曲の“ホエア・イーグルス・フライ”でドイツのメタルオペラプロジェクト、アヴァンタジアとコラボしているのも面白いが、特に日本のリスナーにとっての本作最大の目玉は、やはり上白石萌音とデュエットした“あなたとわたし(ムヘール・コントラ・ムヘール)”だろう。スペインの国民的ポップユニット、メカーノの代表曲で、彼らの楽曲で構成されたジュークボックスミュージカル「オイ・ノ・メ・プエド・レバンタール」(2005年、マドリード初演)でも歌われたこのバラードは、1990年にフランスでNo. 1ヒットを記録。欧州や南米を中心に広く知られている。
「女性同士のリレーションシップを歌った、ポップではあるけれど深みのある名曲です。とにかく萌音の歌唱が見事で英語も美しく、私たちのコンビネーションは完璧。ようやく日本のアーティストとのデュエットが実現して、その相手が彼女だったのも最高でした」
加えて、カタラーニのオペラ「ラ・ワリー」のアリアを元ネタとしたトランス/ハウス系のナンバーで、日本ではテレビ朝日系サッカー放送のテーマソングとしてお馴染みの“クエスチョン・オブ・オナー”をさらに勇ましく、パワーアップさせたバージョンで新たに録音。メガヒット曲“タイム・トゥ・セイ・グッバイ”もスペイン語による新バージョンに生まれ変わりアルバムに華を添えている。
インタビューの最後に〈これからの夢〉について質問してみると、「結局、宇宙には行くことができなかったけれど、今は地球の方に興味があるからもういいの。でも、いつか行ける気もしています(笑)。夢はあるけれど、まだそれを捜している途中です」というミステリアスな回答が何ともサラ・ブライトマンらしかった。
RELEASE INFORMATION

リリース日:2026年7月17日(金)
品番:UICY-16437
価格:3,300円(税込)
日本先行発売/SHM-CD仕様
TRACKLIST
1. クエスチョン・オブ・オナー(ニューバージョン)/A Question Of Honour (New Version)
2. あなたとわたし(ムヘール・コントラ・ムヘール)duet with 上白石萌音/A Girl Against A Girl - Mujer Contra Mujer (duet with Mone Kamishiraishi - from Hoy No Me Puedo Levantar)
3. ラヴ・ネヴァー・ダイズ(「オペラ座の怪人2~ラヴ・ネヴァー・ダイズ」より)/Love Never Dies (from Love Never Dies)
4. ダン(ラジオバージョン -「ナショナル・ジオグラフィック・ドキュメンタリー」より)/Done (Radio Version - from a National Geographic documentary)
5. レイチェルズ・ソング(「ブレードランナー」より)/Rachel’s Song (from Blade Runner)
6. ホエア・イーグルス・フライ duet with アヴァンタジア/Where Eagles Fly (duet with Avantasia - inspired by The Odyssey) ※新曲
7. マーメイドの歌(「アスペクツ・オブ・ラヴ」より)/Mermaid Song (from Aspects of Love)
8. ワン・デイ・アイル・フライ・アウェイ(「ムーラン・ルージュ」より)/One Day I’ll Fly Away (from Moulin Rouge)
9. ヒア・カムズ・ザ・サン(「ラヴ」より)/Here Comes The Sun (from LOVE)
10. ミュージック・オブ・ザ・ナイト(「オペラ座の怪人」より)/Music Of The Night (from Phantom Of The Opera)
11. オン・ザ・ナイル(「ジャングル・ブック」にインスパイアされた作品)/On The Nile (inspired by the Jungle Book)
12. 天国からの招待状(「地獄のロック・ライダー」より)/Heaven Can Wait (from Bat Out Off Hell)
13. タイム・トゥ・セイ・グッバイ(スペイン語バージョン) /Por Ti Volaré (Time To Say Goodbye - Spanish Version - from Step Brothers)
14. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」より)/C’era Una Volta Il West (from Once Upon A Time In The West)
15. アズ・イフ・ウイ・ネヴァー・セッド・グッドバイ(「サンセット大通り」より)/As If We Never Said Goodbye (from Sunset Blvd)
■先着購入者特典
タワーレコード オリジナル特典:オリジナルA4クリアファイル
※タワーレコード オンライン含む/一部店舗除く

INFORMATION
サラ・ブライトマン 抽選キャンペーン&サービスレシート施策
期間中に対象店舗およびタワーレコード オンラインでサラ・ブライトマンのニューアルバム『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』(UICY-16437)のCDをご購入の方の中から、抽選でサラ・ブライトマンの直筆サインとオリジナルグッズをプレゼントいたします。また、期間中に対象商品をお買い上げの方にサラ・ブライトマンからのメッセージとサインが印字されたサービスレシートを全国のタワーレコード(オンライン除く)で発行いたします。
■プレゼント内容
①サラ・ブライトマン直筆サイン&オリジナルグッズ(抽選)
期間中に対象商品をご購入の方の中から抽選で57名様にサラ・ブライトマン直筆サインとオリジナルグッズをプレゼントいたします。
直筆サイン入り、オリジナルアナザージャケット(50名様)
Tシャツ(M/L)- A Winter Symphony Vintage White T-Shirt(Mサイズ:2名様/Lサイズ:2名様)
トートバック(大)- SB Logo Tote Bag(1名様)
キーリング - Sacred Heart Key Ring – Crystal(2名様)
②サービスレシート(対象商品ご購入者様)
期間中に対象商品をお買い上げの方に、サラ・ブライトマンからのメッセージとサインが印字されたサービスレシートを全国のタワーレコード(タワーレコード オンラインは除く)で発行いたします。
■対象店舗
①サラ・ブライトマン直筆サイン&オリジナルグッズ(抽選):タワーレコード全店(一部店舗除く)/タワーレコード オンライン
②サービスレシート(対象商品ご購入者様):タワーレコード全店(タワーレコード オンラインは除く)
■対象商品
サラ・ブライトマン『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』(日本先行発売/SHM-CD仕様)
リリース日:2026年7月17日(金)
品番:UICY-16437
■応募方法(抽選プレゼント)
対象店舗でご購入された方は、サービスレシートに印字されるQRコードを読み取っていただき、専用応募フォームよりご応募ください。
タワーレコード オンラインでご購入された方は、〈応募フォーム〉よりご応募ください。
応募期間:2026年7月16日(木)0:00~2026年8月9日(日)23:59
※応募にはタワーレコードメンバーズの登録が必要になります
※対象商品お買い上げ時のレシート番号/注文番号が必要になります
※こちらのキャンペーンの応募は、PCおよびスマートフォンからのみになります
※当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます
詳細ページ:https://tower.jp/article/feature_item/2026/06/17/1110
サラ・ブライトマン カタログ(旧譜)キャンペーン
『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』(UICY-16437)の発売を記念して、サラ・ブライトマンのベストセラー、ロングセラー、名盤を集めた全17タイトルのカタログキャンペーンを実施いたします。
■キャンペーン内容
期間中、対象商品をタワーレコードの店舗およびタワーレコード オンラインでご購入のお客様に先着でポストカード(100 × 148mm)をプレゼントいたします。
■実施期間
2026年7月16日(木)から
※上記日付以前に購入されても特典ポストカードは付きません、
※特典在庫がなくなり次第終了となります
■対象作品
サラ・ブライトマンの旧譜17作品(以下の詳細ページに掲載されている17タイトル)
※ ニューアルバム『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』は対象外です
詳細ページ:https://tower.jp/article/feature_item/2026/07/10/1120
IHI presents ミュージカル「サンセット大通り」特別公演
公演期間:2026年7月10日(金)~2026年8月1日(土) ※全26公演
会場:東京・東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11F)
※英語上演・生演奏・日本語字幕付
作曲:アンドリュー・ロイド・ウェバー
脚本・作詞:ドン・ブラック、クリストファー・ハンプトン
出演:サラ・ブライトマン、来日カンパニー
主催:Bunkamura/日本テレビ/ぴあ
企画・招聘:Bunkamura
後援:J-WAVE
協力:カンタス航空
特別協力:ホリプロ
特別協賛:株式会社IHI