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サラ・ブライトマンがニューアルバム『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』をリリースした。本作には新曲のほか、現在日本で特別公演が行われている主演ミュージカル「サンセット大通り」の楽曲なども収録されており、サラの様々な表情に触れることができる一作となっている。新作におけるこだわり、上白石萌音とのコラボなどについてサラ本人に語ってもらった。 *Mikiki編集部

SARAH BRIGHTMAN 『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』 ユニバーサル(2026)

 

今だからこそノーマ・デズモンドの心情を理解できると思った

ジャンルを超越した世界的ディーバ、サラ・ブライトマンが2018年の『HYMN~永遠の讃歌』以来、約8年ぶりとなるオリジナルアルバム『サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ - ニュー・ベスト・コレクション』を発表した。前作と同じく、かつて公私ともにパートナーだったフランク・ピーターソンがプロデュースを手がけた本作は、彼女が主演するミュージカル「サンセット大通り」の日本公演に合わせた絶妙なタイミングでのリリースとなった。

「サンセット大通り」は、1980年代にヒット作を連発し、世界中の劇場を今も席巻し続けている作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーが手がけた傑作ミュージカルのひとつ。名匠ビリー・ワイルダー監督がハリウッドの内幕を描いた1950年公開の同名映画を完全ミュージカル化したものであり、1993年にロンドンで初演、1995年にはブロードウェイでも上演され、第49回トニー賞で最優秀ミュージカル作品賞、オリジナル楽曲賞、最優秀ミュージカル主演女優賞(グレン・クローズ)ほか7部門に輝いた。なお、2025年には再びトニー賞でミュージカル・リバイバル賞、ミュージカル主演女優賞(ニコール・シャージンガー)ほか3部門を受賞している。

サラ・ブライトマンはキャリア初期にロイド・ウェバー作のミュージカルに数多く出演し、特に「オペラ座の怪人」(1986年)の初代クリスティーヌ役でブレイクを果たすが、その後はクラシックとポップスを融合したスタイルのソロ歌手として大成功を収め、ミュージカルシーンからは遠のいていた。今回の「サンセット大通り」は、そんなサラにとって実に30年ぶりに出演するミュージカル作品なのである。

「(『サンセット大通り』は)2024年のオーストラリアを皮切りに、シンガポール、中国、台湾でも好評をいただいたプロダクションなので、やっと日本で上演することができて嬉しいです。皆さんが私の出演するミュージカルを観るのは、きっと今回が初めてだと思います。いつもコンサートのステージでは、曲ごとに様々な自分を披露していますが、こうしてある特定のキャラクターを演じきるのも楽しいものです」

彼女が演じるのは、ハリウッドのサンセット大通りにある大邸宅で執事と暮らす、世間から忘れられたサイレント映画時代の大女優ノーマ・デズモンド。ある日そこへ、鳴かず飛ばずの脚本家ジョー・ギリスが偶然迷い込み、お金に困っていた彼がそのまま屋敷に住み着いたことから、やがて悲劇が巻き起こる。

「オファーをいただいた時、自分にはこの役を演じる準備ができていると感じました。経験や年齢を重ねた今だからこそ、誰よりもノーマの心情を理解できると思ったのです。でも最初は少し躊躇しました。なぜなら、初演のパティ・ルポーンをはじめ、これまでノーマ役は低い声のキャストが演じ、歌ってきたから。それでアンドリュー本人に相談してみたら〈元々は君の音域を想定して書いたものだから、きっと自然にできるはずだよ〉と言われて、確かにノーマはオペラやオペレッタを今のポップミュージックのように聴いて育った世代で、彼女の歌も同じくクラシカルなテイストで書かれている。それなら私にもぴったりだと思ったのです。

もちろんリハーサル当初はなかなか身体がついていかず……近年は一度に歌って踊って演技するようなことをやってなかったから(笑)。大変でしたが、やはり筋肉が憶えてくれていた。すぐにペースを掴んで、演技に集中することができました」

 

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〈ブライトマン流〉のアレンジで生まれ変わったミュージカル曲

ニューアルバムに収録された “アズ・イフ・ウイ・ネヴァー・セッド・グッドバイ”は、「サンセット大通り」を代表する名曲のひとつ。パラマウントから連絡を受け、旧友のセシル・B・デミル監督の撮影所を訪れたノーマは、懐かしい現場で栄光に満ちた大女優としての日々を思い出す。昔なじみの照明係からスポットライトを当てられ、スタッフたちにあたたかく迎えられたノーマは、長らく夢見ていた映画界への復帰を確信し、この曲を歌う。なお、この曲はバーブラ・ストライサンドがアルバム『バック・トゥ・ブロードウェイ』(1993年)でいち早く取り上げており、その後も様々なアーティストによってカバーされている。

「“アズ・イフ・ウイ・ネヴァー・セッド・グッドバイ”は、今回かなり大胆なアレンジを施して生まれ変わらせてみました。きっと驚かれると思います。正統派のバージョンを聴きたい方は、ぜひ生のステージの方で(笑)。アルバムではあえて一般的なアプローチを避けるのが〈ブライトマン流〉なのです」

本作には、他にもロイド・ウェバーが手がけたミュージカル作品のナンバーが盛り沢山。「オペラ座の怪人」の続編(2010年)から“ラヴ・ネヴァー・ダイズ”、「アスペクツ・オブ・ラヴ」(1989年)から“マーメイドの歌”(有名な“ラヴ・チェンジズ・エヴリシング”ではないところもポイント)、そして本家「オペラ座の怪人」(1986年)から1991年の「NHK紅白歌合戦」でも歌われた“ミュージック・オブ・ザ・ナイト”と、いずれもこれまでのレコーディング音源とは違う雰囲気で楽しめる。

「特に今回の“マーメイドの歌”のアレンジは自信作。オリジナルはワルツ風の曲ですが、それをストラヴィンスキーっぽくしてみました。演奏してくれたオーケストラのメンバーにも大好評でした」