
〈君が好き〉と歌えるようになった
――アルバムの最後を飾る“でてきて”と“shoes”の2曲はとても美しい曲たちで、この曲たちで締め括られることで、アルバムの視点が外を向いて終わっていくような印象も受けました。アルバムの終わらせ方については、どのように考えられていましたか?
「“shoes”に関してはこのアルバムの中では珍しく、前向きな曲というか。ここまでの12曲があったうえで、〈やっと前に進もうとしているんだな〉みたいな(笑)。曲自体ずっとシンセベースが進んで行く躍動感があるし、ギターもちょっとシューゲイザーっぽくて。確かシューゲイザーっぽいものが作りたかったから、“shoes”って名付けたんですよね」
――そうなんですか。僕は〈人それぞれのもの〉とか〈一人ひとりがそれによって人生を歩いていく〉みたいな意味合いで“shoes”なのかと思っていました。
「言われてみれば確かに、歩いていくこととか、〈一人ひとりの靴〉っていうイメージはこの曲に合っているなと思います」
――“shoes”の歌詞で〈気持ちよく君が歌うから/つられて僕も歌を歌ってみているよ〉とありますけど、〈誰かが歌っているから自分も歌ってみている〉という感覚や気分って、今和久井さんが歌っていることの中にもあるものですか?
「ああ、それはたぶんあると思います。具体的にきっかけとなる人がいるわけではないんですけど、でも、こういう感覚を持つ人は多いんじゃないかなと思う。隣にいる人が気楽そうだから自分も気楽になっちゃう、みたいなことってありますし。もしかすると、和久井沙良が歌っているから〈あ、私も歌ってみよう〉と思う人もいるかもしれないし。どっちも感じますね。自分自身もそう感じているし、自分以外の人もそう感じているかもしれないし」
――“shoes”は〈君が好き〉という言葉で終りますけど、このもの凄くシンプルなラブソングの言葉で終っていくのが本当にいいですよね。
「〈最後にやっと言えたんだ〉って感じですよね(笑)。〈君が好き〉って本当に一番ストレートな言葉だと思う。この最後のブロックの歌詞が書けたとき、ひとりで感動したんです。〈こんなこと言えるようになったんだ!〉と思って。こういうこと、今まで絶対に言えなかったから。だから自分でもこの曲が大好きで、アルバムの最後に持ってきました」
――この曲では〈今〉という言葉も繰り返し歌われますね。
「〈今〉は凄く大事にしている言葉だと思います。すべてにおいて今しかないから。そもそも私は、〈過去こうだったから自分にはこれができない〉とか、〈今こうしてしまうと未来がこうなってしまうかもしれないからやめておこう〉とか、ずっとそういう軸で生きてきたなと思うんです。でもそうやって生きていると、本当に自分が思っていることが見えなくなってしまうんですよね。それに気づいてから〈今どうしたいか?〉で生きていくようにしたんです。そうしたら、すべてがよくなっていくような感覚があって。〈今〉という言葉は、私にとって凄く大事にしたいものですね」
――“shoes”の前にある“でてきて”では〈理想はどこにもないよ〉と歌われます。この言葉は和久井さんのどんな実感から出てきたフレーズですか?
「“でてきて”は夜に作った曲で、〈元気がない人に出てきてほしいな〉というシンプルな動機から生まれた曲なんですけど、〈出てこられない人の気持ちってどんなものなんだろう?〉ということも考えながら書いたんです。
〈理想はどこにもないよ〉は……自然に出てきた言葉なので、そのときなぜ出てきたのかはわからないですけど、今思うのは、〈どこかを目指さなくても別にいいじゃない?〉ということなのかなって。そう思います」

時代や流行を追わず、思っていることをそのまま出す
――『Nothing But Living』を聴いていると、〈生きるってこんなにも悲しいんだ〉という気持ちにもなって、でもそれが凄く温かいというか。そのうえで歩き出そうと思える。そういうところが、僕がこのアルバムの好きなところで。
「ありがとうございます」
――改めて、今作を作り上げてどんなことを感じますか?
「〈今自分が作りたいものを作っている人〉でありたいという思いは、1枚目の頃からずっと自分は変わっていないなと思います。〈時代がこういう流れだから〉とか〈流行がこうだから〉とか、そういうものを追いかけたいともあまり思わないから。そのときの自分が思っていることを、ただそのまま出す。それで終了、っていう(笑)。そのスタンスは一貫して崩れていないなと思いますし、そのスタンスこそが自分の核になっている気がします。まあ、あんまりこだわらないってことですね(笑)」
――(笑)。
「こだわらないことが、私の強みな気がします(笑)」
RELEASE INFORMATION
リリース日:2026年8月19日(水)
品番:APLS2607
価格:3,300円(税込)
TRACKLIST
1. FAR
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
2. Destiny(feat.竹内アンナ)
作曲・作詞:和久井沙良、竹内アンナ
編曲:和久井沙良
3. 膜
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
4. 言わせばない
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
5. 春なんて
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
6. HiFi Vague
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
7. よせてはかえす
作曲・編曲:和久井沙良、Franco Reid
作詞:和久井沙良
8. 氷
作曲・編曲:和久井沙良、Franco Reid
作詞:和久井沙良
9. Chord
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
10. repeat
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
11. こそばゆい
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
12. でてきて
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
13. shoes
作曲・作詞・編曲:和久井沙良
■参加ミュージシャン
Vocal, E. piano, Synth:和久井沙良
Guitar:イシイトモキ(track 4,5,6,9,11,13)
Bass:高橋佳輝(track 4, 6, 11)
Drums:上原俊亮(track 4, 5, 6, 9, 11, 13)
Mixed by 染野拓(track 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 11, 13)、セガワロク(track 7, 8, 12)
Mastered by David Hachour (ColorSound Studio Mastering)
カバーイラスト&アニメーションMV:近藤萠
ジャケットデザイン:澤野洋土
LIVE INFORMATION
Sara Wakui -Four Elements- Release Live Tour 2026 “Nothing But Living”

出演:Sara Wakui -Four Elements- 和久井沙良(ボーカル/キーボード)、高橋佳輝(ベース)、上原俊亮(ドラムス)、イシイトモキ(ギター)
2026年9月23日(水・祝)大阪・心斎橋 LIVE SPACE CONPASS
開場/開演:17:00/17:30
各料金:4,500円(前売り)+1 drink/5,000円(当日)+1 drink
U22料金:3,500円(前売り)+1 drink/4,000円(当日)+1 drink
TEL:06-6243-1666
住所:〒542-0083 大阪府大阪市中央区東心斎橋1丁目12-20 心斎橋ダイワビル B1F
2026年9月24日(木)愛知・名古屋 新栄 club (O)Utopos
開場/開演:19:00/19:30
各料金:4,500円(前売り)+1 drink/5,000円(当日)+1 drink
U22料金:3,500円(前売り)+1 drink/4,000円(当日)+1 drink
TEL:052-212-8766
住所:〒460-0007 愛知県名古屋市中区新栄2丁目47-50
Mail:https://club-outopos.jp/contact
2026年9月26日(土)東京・表参道 WALL&WALL
開場/開演:18:00/19:00
各料金:4,500円(前売り)+1 drink/5,000円(当日)+1 drink
U22料金:3,500円(前売り)+1 drink/4,000円(当日)+1 drink
TEL:03-6438-9240
住所:〒107-0062 東京都港区南青山3丁目18-19 フェスタ表参道ビル B1
席種:全自由
オフィシャル先着先行受付:2026年6月26日(金)19:00〜2026年8月21日(金)23:59
企画:APOLLO SOUNDS/Fujipacific Music Inc.
チケットページURL:https://eplus.jp/sarawakui/
チケット問い合わせ:YUMEBANCHI(大阪)06-6341-3525<平日12:00~17:00> https://www.yumebanchi.jp/
PROFILE: 和久井沙良
作曲家/鍵盤奏者。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。3歳よりピアノを9歳より作曲を始める。数多くのライブサポートをする一方で、2022年には自身のソロプロジェクトの活動を開始。また、同年よりシンガーのキャサリンとのポップスユニットLioLanの活動も開始。自身のプロジェクトでは様々なミュージシャンを起用しつつ多彩な楽曲を制作し独自の世界観を形成する。またライブでは、そのアグレッシブかつ圧倒的なパフォーマンスで多くの聴衆を魅了する。
■バイオグラフィ
2022年3月 丸の内COTTON CLUBでの初のリーダーライブを開催。チケットがソールドアウトとなる。
2022年12月 初のアルバム『Time Won’t Stop』をリリース。
2023年2月 渋谷WWWにてリリースライブを開催。チケットがソールドアウトとなる。
2023年7月 〈FUJI ROCK FESTIVAL 2023〉に出演。
2023年7月 LioLanの1st EP『UNBOX』をリリース。
2024年3月 自身の2ndアルバム『Into My System』をリリース。
2024年12月 ライブアルバム『Into My System Live』をリリース。
2025年10月 3rdアルバム『The Little Cycle』をリリース。
2026年2月 1st EP『utas』をリリース。
2026年8月 4thアルバム『Nothing But Living』をリリース。
和久井沙良 公式Xアカウント:https://twitter.com/donwaku
和久井沙良 公式Instagram:https://www.instagram.com/donwaku/
和久井沙良 公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@user-ce6jr6eu9s/featured
和久井沙良 公式ホームページ:https://www.sarawakui.com/
