2月のEP『utas』にてヴォーカル作品へと舵を切った和久井沙良が、全編の作詞/作曲/アレンジ/歌唱を担って独自のポップスを構築してみせたフル・アルバム。竹内アンナをフィーチャーしたハウス・チューン“Destiny”に代表されるJ-Popマナーのメロディーを行き渡らせながら、さまざまなフォルムの野心的なサウンドを追求することにも執心している。チルR&Bな“膜”などでトラックメイク的なアプローチを見せる一方で、“HiFi Vague”では手練のプレイヤー陣による圧巻のアンサンブルを前に押し出す。シンプルなバラードも、ポスト・クラシカルやアンビエントを思わせるタッチに仕上げているのがおもしろい。