まだ迷いがあったのか、前作はキラーズ本隊の延長上にあるような作りだったけど、アリエル・レヒトシェイドのプロデュースで完成させた5年ぶり2枚目となるこのソロ作は、〈ポップスター=ブランドン・フラワーズ〉としてのアイデンティティーをいよいよ確立。80s音楽への愛情を全開にし、ファンキーなビートとシンセを盛って、アンセミックでキャッチーでほんのりキッチュなポップソングをこれでもかと歌いまくる。もちろんUKニューウェイヴの影響も強いものの、乾いた熱を感じさせるワイドスクリーンなスケールといい、ストーリーテリングといい、米国人らしいフィルターが独自色をプラス。こういうベタなポップスを志向する大人の男はUSでは貴重なので、ぜひ二足のわらじを履き続けていただきたい。