EASTOKLAB日置逸人の極私的金字塔

Coldplay『Ghost Stories』時に爽やかに、時に暖かく響く、音楽を超えたような特別なアルバム

pollyとのツアー〈Twin.〉が終わって、僕らEASTOKLABのアルバムリリースを発表した

今年は例年に比べてゆったりとしたスケジュールだったから、ツアーをすることも、リリース発表をすることも、とてもドキドキしていたし、実際にそれが出来たことがただただ嬉しかった。

pollyとのスプリット盤に収録した“うつくしいひと”も、新しいアルバム『Ai』に収録した曲も、全て前作の『Fake Planets』のリリース以降に制作した楽曲で、その間、僕らはより強く、より深く、そして、より美しい音を求めて音楽を鳴らし続けていた。

制作期間はもちろん色々な音楽を聴いた。今回はそのなかで特に印象的だった音楽について。

COLDPLAY 『Ghost Stories』 Parlophone/ワーナー(2014)

Coldplayが昔から大好きだった。特に初期の2枚『Parachutes』『A Rush of Blood to the Head(邦題:静寂の世界)』が好きで、今でもよく聴いている。洋楽の邦題ってあまり好きじゃないけれど、『静寂の世界』という邦題はとてもイイなあと、いつか思っていたことが今では懐かしい。

初期の2枚は好きだけれど、それ以降はあまり聴いてないかな、なんて人が僕の周りには多くて、僕も例に漏れず同じようなことを思っていた。叙情的であり詩的で繊細なColdplayが大好きだったから、3rd AL『X&Y』以降のスケールアップやスタジアム感のある音の広がりにあまり共感できない部分があったのかなと思う。

初期の名曲“Yellow”。酔っ払ってこの曲を聴くと無条件に泣ける。最高の曲。

そんなこんなで色々と思いつつ3rd以降のColdplayも大好きなのだけれど、なんだかんだで初期のアルバムばかり聴くことが多かった。とはいえ最新作も含め7th AL『A Head Full of Dreams』なんかは全曲を通して音がとんでもなく良くて(マジでこの世で一番に音がカッコいいアルバムだと思っている)、レコーディングやミキシングの時、モニターのチェックをする時などには真っ先に聴くアルバムになっている。今も聴いているけれど最高すぎ。

今年の頭に色々機材を新調したこともあって、いつも通りColdplayを聴いてチェックを行い、その流れで全てのアルバムを時系列に沿って聴いていた。その時、一番心に刺さったのが6th AL『Ghost Stories』であり、その収録曲“Magic”だった。

このMVめっちゃ好き。というかColdplayのMVって全部いいんだよね。

語りかけるように静かでありながら、胸を掴まれるようなエモーショナルなボーカルとの対比がひたすらに美しくて、最小限の音数も、立体的な音の配置も、圧倒的にヤバい。

僕らは、時々Coldplayに例えてもらうことがあったり(超僭越ながら)、Coldplay好きでしょ?なんて言われることがある。もちろん好きではあるとはいえ、そこにはあまりピンときていない部分もあったのだけれど、確かにこの曲には僕らが目指している音像の理想形が詰まっていた。人肌の暖かさを損なうことなく、緻密に、繊細に、ダイナミックにアナログとデジタルが調和する音の質感は、まさに僕らが4人で演奏しようと思い描いている全てに近い。

このアルバムには、今自分が目指していた音が、何より聴きたかった音が全部あった。

アルバムを通しても、全体的に湿度の高い音が並び、パブリックイメージ的なスタジアムバンドとしてのColdplayとは遠いところに位置づけられる楽曲が静かに続いていく。

しかし、一聴しただけでは決して捉え切ることの出来ない緻密さがあって、本当に聴けば聴くほど味わい深く、いかにColdplayというバンドが素晴らしいのかがしっかりと伝わってくる。

そのうえ、このアルバムは気分の良い朝には爽やかに耳に響いてくるし、落ち込んでいる夜には背中をさすってくれるように暖かく耳に響いてくる。音楽という枠の中で、けれど音楽を超えるような魅力を持った、特別なアルバムだと僕は思っている。

昔はアルバムラスト前の言わずと知れた大名曲“A Sky Full of Stars”がバキバキすぎて若干苦手だったのだけれど、今ではこの曲がこの場所で鳴る意味が少し分かったような気がする。

なんか偉そうに批評とかしてしまっているけれど、何が言いたいかっていうと本当に最高! 大好き!ってことだけなのです。

ライブ映像も最高。こんなものが自宅で見られる時代に感謝。いつか生で見てみたい。

先月リリースされたニューアルバム『Music of the Spheres』も最高だった、というかスゲェとしか言いようのないアルバムだったし、何よりひとつひとつの音がカッコよすぎた。

俺もこの音出したい!なんてワクワクしながら聴いた。これが新しい時代の音なんだなって。

Photo by James Marcus Haney x Heo Jae Young

きっといつになってもColdplayは僕にとってのヒーローであり、永遠の憧れなんだと思う。

こんなに美しい音があると教えてくれて、今僕はそれを自分のものにしたいと音楽を続けている。

そして、新しいアルバム『Ai』に僕の思う美しさの全てを詰めた。ぜひ聴いてね。何かを感じてくれたなら、それを大切にして欲しいと心から思っている。もうすぐリリース! お楽しみに!

 


RELEASE INFORMATION

EASTOKLAB 『Ai』 DAIZAWA/UK.PROJECT(2021)

リリース日:2021年11月10日(水)
品番:UKDZ-0219
価格:1,069円(税込)
配信リンク:https://eastoklab.lnk.to/Ai_

TRACKLIST
1. Sapiens
2. 秘密
3. 虹の袂
4. Ai
5. Hurts

 

リリース日:2021年4月21日
品番:UKDZ-0216
価格:1,528円(税込)
配信リンク:https://hayatohioki.lnk.to/S_Smoke

TRACKLIST
1. Flash
2. I Think
3. Look Back 
4. Frozen in Time
5. Pass
6. Throng
7. Fly Away
8. Glitter
9. Distant Memories
10.Make a Circle

 

LIVE INFORMATION
DREAMWAVES
2021年11月20日(土)愛知・名古屋 stiffslack VENUE
開場/開演:15:00/15:30
前売り:3,000円(ドリンク代別)
PUNK AROUND THE WORLD
2021年12月25日(土)愛知・豊橋 club KNOT
開場/開演:17:00/17:30
前売り/当日:2,500円/3,000円(いずれもドリンク代別)
Pray Pray Pray
2022年1月10日(月)京都 GROWLY

【プロフィール】
日置 逸人

日置 逸人 (ひおき はやと)

EASTOKLABのボーカル/シンセサイザー/ギターを担当。バンドの他に、WD SOUND WORKSでレコーディング・エンジニアとしても活動する。2019年、DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECTよりミニアルバム『EASTOKLAB』をリリース。2020年、デジタルミニアルバム『Fake Planets』をリリース。2021年4月、ソロアルバム『Swallowing Smoke』をリリース。2021年11月10日(水)、デジタルミニアルバム『Ai』をリリース。

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