アドレナリン、MADMAX!!
究極のリアル・アクション最新作公開にあわせ、トリロジーボックス発売決定!

 『マッドマックス』(79年)を観て映画への憧れを持った子供は多い。「あ、これオレの考えてたヤツじゃん!」なぞと訳のわからぬ逆恨みすら覚えた同世代のアホが周りにウジャウジャいた。それ程までに我々男子が抱える心の中の欲望をジョージ・ミラーは見事に表現してくれたのだった。 

 まず問答無用、マックス・ロカタンスキーを演じた「復讐顔」メル・ギブソンという大発見と、もうひとつの主役、マックスの駆るV8インターセプター。スピード、暴力、無情の近未来世界、魅力的な敵役たち…。全てにヤられた。そして前作のヒットにより大幅にバジェットを増やした『マッドマックス2』(81年)が公開。古今作られた良いアクション映画のエッセンスをパンパンにつめ込んだ大傑作となる。前作を圧倒的に上回るバイオレンス描写で徹底的にぶっ飛ばされた。武装した男たちが非道の限りを尽くす荒野。車や武器等の魅力的なガジェット。なによりラストバトルが始まってからエンディングのナレーションまでの約20分、ちょっとした受け答え以外台詞無し! 最強にブルータルな一作となった。

 ヒットメーカーとなったミラーが放った第三弾『マッドマックス サンダードーム』(85年)は世界観の締めくくりとして希望を初めて明確に打ち出した作品でそれまでの二作に比べテイストがソフトになった感は否めない。しかしオリジネーターであるミラーの考えた「絶望の未来」の独創性だけはこの作品に於いても変わらず継承されている。改めて見返すと発見が多い一本。新作公開を機に『マッドマックス トリロジー』としてボックスセットが発売される様なので未見の方は是非。マスター・ブラスターのキャラクター造形が秀逸!

ジョージ・ミラー,メル・ギブソン マッドマックス トリロジー スーパーチャージャー・エディション スチールブック仕様 ワーナーホームビデオ(2015)

 そして待望の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15年)が遂にベールを脱いだ! 心配材料も無い訳では無かった。ハイブリッドだエコだと言われる草食な昨今に人々がこういった作品に食いつくのか?とか今回の主役交代、新たなマックス役であるトム・ハーディの少々厚ぼったい印象に一抹の不安を覚えたのも事実…だがそんなのは全くの杞憂。ミラーが目指したのは大方の期待する伝説のアンチヒーローの復活ではなく『マッドマックス』という名を冠した血と暴力、無情、そして幾ばくかの希望の神話なのだ。ジャンキーXLのサントラ(これもマストバイ!)響く中、冒頭からトップギア入りっぱなしで延々と続く破壊と暴力、轟く爆音のシンフォニーに試写室で何故だか本当に涙がこみ上げてきた。まさか『マッドマックス』で泣かされるなんて…。きっと男子の観客の中、数人はそんな人がいた筈だ。今回のトム版マックスはそれまでのヒーロー像から離れもはやこの狂った世界の一員でしかない。誰もが口にするであろうシャーリーズ・セロンの超絶男前っぷりや第一作の敵役だったヒュー・キース・バーンの再登板も最高。とにかく劇場に行きシートに座ればスゴいもんを観ることになる! 観ろ!

 

MOVIE INFORMATION

映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
監督・脚本・製作:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ/シャーリーズ・セロン/ニコラス・ホルト/ヒュー・キース・バーン/他
配給:ワーナー・ブラザース映画(2015年 アメリカ 120分) R15+
◎6/20(土)、新宿ピカデリー・丸の内ピカデリー他 2D/3D&IMAX®3D全国ロードショー
www.madmax-movie.jp/