3曲のソングライターに抜擢された転機の一作。特にケリー・ローランドの歌う“When Love Takes Over”は関わった全員のステージを上げる世界的ヒットに。ゲッタ曲では後の“In My Head”(2012年)にヴォーカルでフィーチャーされてもいる。
実は前年のデビュー・シングル“I”にて無名時代のナーヴォを起用していた彼女。この初アルバムでは同曲に加えて華やかな“Girlfriend”の作者に名を連ね、次作『to LOVE』でも瑞々しい舶来志向の“Hey Boy”に貢献した。
女子ノリのダンス曲“Boots & Boys”にてソングライトとヴォーカル・プロデュースを担当。トラックを手掛けたハウス畑のトム・ネヴィルとは、ウィンター・ゴードン“Drunk On Your Love”(2011年)でも手合わせした。
スタースミスとの共作で献上した“Put Your Hands Up(If You Feel Love)”が見事USクラブ・チャートNo.1を記録。同じメルボルン出身の大スターだけに姉妹も相当アガったそうで、『Collateral』招聘にも繋がった大事な一曲だ。
ソウルショック制作の“Try With Me”を共作。バラード調からダンサブルに上昇する展開に沿った昂揚感たっぷりのメロディーがナーヴォらしい。なお、ナーヴォ初期の作家仕事には、PCDのジェシカに提供した“If I Was A Man”(2008年)もある。
クラブ方面での活躍が目立ちはじめた時期ながら、ここでは普遍的な明るさのあるレトロ・ポップ調の“Bambi”をライティング。倖田の曲では、T-SKらと共作した『Bon Voyage』(2014年)収録の“SHOW ME YOUR HOLLA”が抜群だった。
アヴィーチーと書いた“You're Gonna Love Again”でデュオとしても飛躍したこの年、T-SKらとチームで参加した本作では、先行シングルの3曲を含め、実に5曲で起用されることに。ダンス・トラックの刺激以上に、バラードの“Love Story”が美しい。
アーミン帝との仕事では、問答無用のアンセム“Not Giving Up On Love”などを書いた『Mirage』(2010年)における貢献が最重要。それに続く今作では、目映いばかりにキャッチーな“Turn This Love Around”を共同名義で手掛けるまでに出世した。
ファンキーな先行カット“GO FOR IT”を含む4曲を共作。特にT-SKを交えた主役とのセッションで書き上げたナンバー群では、ポップな振り幅の広さと対応力の高さを示すことに。大知の曲では翌年のバラード“IT'S THE RIGHT TIME”も姉妹の共作。
CYNDI LAUPER She's So Unusual: A 30th Anniversary Celebration Epic/ソニー(2014)
ガールパワーの大先輩が83年に発表した名作の30周年記念盤にリミキサーとして参加。その“Time After Time(2013 Nervo Back In Time Remix)”は原曲の涙を煌びやかな光の粒に昇華したアンセミックな泣き踊り仕様!
VARIOUS ARTISTS Fatboy Slim Presents Bem Brazil Verve(2014)
サッカーW杯とリオ五輪の開催を祝して、ファットボーイ・スリムが監修したブラジル音楽の企画盤。多くの楽曲がダンス・ミュージックとしてビルドアップされており、ナーヴォはリオ・ショックの“Sensualizar”をファットな極太ハウスにお色直ししている。
アフロジャックも交えた“We're All No One”(2011年)や、『Wonderland』(2012年)収録の“Livin' My Love”など、ナーヴォとは長い付き合いのスティーヴ。この最新作にも姉妹を招き、トニー・ジュニアも関与した“Lightning Strikes”で眩しく弾けている。