世界の夜を賑わせるDJにしてソングライター、モデル、ヴォーカリスト——多面的な魅力を放つ最強の双子が豪華なアーティストを従えてパーティーへご招待! 最高にエキサイティングでハッピーな夏がやってきた!!

 

 

すべてが財産になった

 有名雑誌が発表する世界のトップDJランキングでは常に上位にランクイン、いまや毎週末は世界中のパーティーに引く手あまた。現在のEDMシーンを支える重要女性DJとなっているオーストラリア出身の双子ユニットで、ミリアム(ミム)とオリヴィア(リヴ)の双子姉妹から成るナーヴォ。去る6月には新木場agehaで開催された〈SATURDAYS -SPRING-BLOOMS!-〉にヘッドライナーとして登場し、ハウスやビッグ・ビートなど、現行のEDMに止まらないセレクトでパーティー・ピープルを熱狂させたばかりだ。「来日するたびにオーディエンスのパワーを感じるわ」と興奮した様子で話すのは、ショートカットのミム。

「以前は他の国に比べると、ちょっと大人しい印象があったんだけど、いまはそういったギャップを感じない。シーンが定着していることを肌で感じるわ」(ミム)。

NERVO Collateral avex trax(2015)

 また、彼女たちのパフォーマンスからは、他のDJたちにはないストロングさと、フレッシュ感が共存する。世界中を移動する毎日が続くなかで、そのエネルギーをどうキープさせているのか訊いてみると、「いい質問ね、それ」と笑うのはリヴ。

「毎日、〈この楽曲をパーティーで流して〉ってメールが届くの。もう処理しきれないってくらい。そのなかからいいものを選んでいるわ」(リヴ)。

「また、私たちは世界中で『NERVO Nation』っていうラジオ番組を配信していてね。そこで、EDMはもちろんだけど、ハウスやディスコなどさまざまなタイプの音を流しているわ。そこで〈こういう流れって素敵!〉って閃いて、それをパーティーで披露することもあるの。私たちにとって、ラジオは音楽の学びの場所でもあるのよね」(ミム)。

 そんな彼女たちの〈学びの集約〉と言える作品が、初のオリジナル・フル・アルバム『Collateral』だ。いままで彼女たちのしてきたことすべてが現在に繋がっていて、すべてが財産(=コラテラル)になったという思いを込めてタイトルを付けたという。

「私たちがこれまで発表してきた楽曲って、どれもフロアを熱狂させるようなダンス・トラックばかり。でも、そういう部分じゃない表情も皆に届けたいのよ」(ミム)。

 彼女たちがDJとして人気者になる以前から、ソングライターとして活躍してきたことを知る人も多いだろう。日本では、安室奈美恵の“Love Story”を筆頭に、西野カナ三浦大知倖田來未など、錚々たるアーティストに楽曲提供してきた経歴の持ち主でもあるのだ。本作では、そんなソングライターとしてのセンスも光る。

【参考動画】ナーヴォが関与した三浦大知の2013年のシングル“GO FOR IT”

 

「だから、例えば寝起きとかドライブとかデートとか……いろんなシチュエーションで楽しんでもらえる一枚になっているはずよ」(リヴ)。


リミットは設けない

 アルバムではティム・バーグリングアヴィーチー)と失恋をテーマに書き上げたメロディアスな“You're Gonna Love Again”や、スティーヴ・アオキ&アフロジャックと共作した“We're All No One”の新ヴァージョンなど、いまをときめくアーティストたちと競演! なかでもドラムンベースの要素を初めて採り入れたニッキー・ロメロとの“Let It Go”は、彼女たちにとって大きなチャレンジだったそう。

「最初はスロウなビートだったんだけど、それをダンス・ミュージックに仕上げるにはどうしたらいいのか試行錯誤した結果、ドラムンベースにたどり着いたの」(ミム)。

「そのプロセスでニッキーに手伝ってもらったんだけど、彼は曲の持つエネルギーを保ちながら、ドラマティックな要素を加えてくれたわ。ここで真の、奇跡のコラボができた!って感じ」(リヴ)。

 奇跡のコラボといえば、“The Other Boys”では同郷オーストラリアのポップ・アイコンたるカイリー・ミノーグと、シザー・シスターズジェイク・シアーズ、さらにディスコ・レジェンドのナイル・ロジャースをフィーチャー。ソングライター/DJとしてさまざまなコネクションを持つ彼女たちだからこそ作り得たダンス・チューンといえよう。

「もともとジェイクとはオーストラリア公演で仲良くなって、数年前から一緒に曲を作ろうって話をしていたの。そうしたら、共に楽曲提供経験のあるカイリーにも参加してもらったらおもしろそう!って互いのルートを使って声をかけたら快諾してくれて。さらに私たちがナイルとも仕事をしていたから、お願いしたらOKが出て(笑)。本当にラッキーだったわ」(ミム)。

「他の楽曲に参加しているアーティストも、すべて自然なプロセスで実現したの。“Hey Ricky”はクレイショーンデヴの他に、アリサ(ファッション・ブランド〈FIG&VIPER〉のクリエイティヴ・ディレクターも務める植野有砂)も参加してくれてグローバルなガール・パワー・アンセムに仕上がったし。たくさんの人たちのおかげで最高のアルバムが出来たって感じ!」(リヴ)。

 活動を開始してからずっと夢に思い描いていたというアルバムの完成に、喜びが隠せない様子の二人。またこの作品を携えて、早くパーティーをしたくてウズウズしているようだ。

「『Collateral』が出来たおかげで、史上最強のエキサイティングでハッピーなパーティーができる気がするの! でも、まだクリエイティヴィティーは止まらないわ(笑)」(ミム)。

「私たちはEDMという箱の中に留まるつもりはない。いまってジャンルや世代に関係なく、おもしろい音楽が受け入れられる時代だからね。その流れに乗らない手はないわ。今後もリミットを設けず、もっとおもしろい音を追求していくつもり。そのワクワクも、このアルバムを通じて感じてほしいな」(リヴ)。