レッド・ツェッペリンやブラック・サバスといった70年代の英国ハード・ロックに対する愛を炸裂させながら、実は毎回、変貌を遂げてきたデッド・ウェザー。この3作目でジャック・ホワイトと仲間たちが印象付けるのは、成熟と洗練である。混沌とした前2作に比べると格段に聴きやすい。レゲエに加え、ジャックがラップするヒップホップ風の曲も登場する。そして締め括りはアリソンの歌声の魅力が際立ったバラードだ。
名盤へと駆け上がる香りをプンプンに感じさせたこの前のソロ作から、そこまでの時間を開けずにジャック・ホワイトから届いたニュースは、ザ・キルズのアリソン・モシャートらとのバンド、ザ・デッド・ウェザーとしての実に5年振りとなるアルバムのリリースという嬉しいニュース。ジャック自身のレーベルからとなる今作、ここ最近の7インチでリリースされていた音源も新たにリミックス&リマスターで収録し、更に新曲もふんだんにという全12曲。らしさ際立つ、決して万人受けを狙わないようなこのダークなロック感はやはりジャックならではの遊び心なのでしょうか。