昨年のベストと名高いテイム・インパラのアルバムにいまさらハマりきっております、tofubeatsです。日々拡散される情報をちゃんと掴んでいかないと、こんな名盤をみすみす見逃して生きていくことになるのか……と、こんな連載をやっていながら反省致しました。そんな私がいま再生している一枚から、今回はいってみましょう。

 

A$AP FERG Always Strive And Prosper A$AP Worldwide/Polo Grounds/RCA(2016)

直訳すると〈いつもがんばって繁栄する〉的なタイトルが気持ち良い、エイサップ一門でもダントツすぎるフロウを誇るファーグの新作がこちら。最初の3曲聴いただけで一皮も二皮もムケている……っていうかムケようとしている全体の姿勢に超感動。(ミクステも入れて)3枚目とかでもこういう変化を恐れないスタイルがやはり良いのです(今月はそういう3枚を!)。日本ではラップの内容と技術、そして曲の完成度が分裂して語られることが多いですが、リリックもサウンドもフロウもバシッと決まってるこちらをぜひチェックしていただきたいところです。この連載では何度も書いてますが、やっぱヒップホップは前進してるのが良いところです。

 

スカート CALL KAKUBARHYTHM(2016)

“No.1”のMVの河原でタンバリンを叩いている男澤部さんことスカートのニュー・アルバムがKAKUBARHYTHMから(!)出ました。初のレーベル・リリースということもさることながらサウンドのスケールが大きくなって素晴らしい仕上がりに。でもシンガー・ソングライター感もしっかり漂っていて、アルバムを重ねるごとに着実に積み上がっているものがあるような気がします。カメラ=万年筆こと佐藤さんの要所で輝くアレンジも素敵!

 

MAYER HAWTHORNE Man About Town Vagrant/ビクター(2016)

初期の頃から考えたらホントにブルーアイド・ソウル化したなあ~と思う新譜。オールド・スクールな仕上がりを意識したカワイらしさの中にもシャキッとしたミックスダウンが光っています。こちらもアルバムごとにきっちりテーマがアジャストされているのを感じます。37分という体裁もかなりレコードを意識している感じがありますね。私も次がサード・アルバム、どないしよかな~、と悩む季節です。

 


tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。G.RINA℃-uteSALU矢野顕子スカイラー・スペンスライアン・ヘムズワースらの楽曲を手掛け、自身の『POSITIVE』とリミックス盤『POSITIVE REMIXES』(UnBORDE)も好評リリース中! また、先日はPS4の新作タイトルを最上もがと紹介する“DON! DON! DON'T STOP LINEUP!”でプロデュース/ラップを担当しました。ライヴ情報などその他の動向は〈https://tofubeats.persona.co/〉にて!