ホンモノかそうじゃないか
――日本のフットワーク界のパイオニアはTAKUYAさんとWEEZYさんとのことですが、始めたいきさつとしてはWEEZYさんとはまったく別の流れで?
TAKUYA「そうですね、まさにこの動画の〈Wickedpedia Rendez-vouz〉(2012年)でWEEZYと初めて会いました」
Fulltono「初めてみんなの前で披露した時ですね」
TAKUYA「全然シカゴ・フットワークじゃないっていう(笑)。これはちょっと恥ずかしいっすね、ハハハ」
Fulltono「2人がバトル的なことをしたのかな。WEEZYは最初からバトルが好きだったよね(笑)」
TAKUYA「そうっすね(笑)」
――あと、TAKUYAさんもがっつり絡んでいる〈Battle Train Tokyo※〉(以下、BTT)についても訊いてみたいんですが、参加する人も増えていると思いますし、トーナメントだけではなくレッスンもやるようになっているからか、これまでよりも裾野は広がっているような気がしています。ご自身の実感としてはいかがですか?
※本連載の〈番外編〉としてレポートもしたフットワーク・バトル・トーナメント。月イチでTAKUYAやWEEZY、YAMATOが講師を務めるフットワークのレッスンも行われている
TAKUYA「レヴェルは上がってきてると思うし、そういう面ではいいと思うんですけど、BTTの趣向も変わってきていて、なんて言うのかな……お客さんが何を観たいのかがわからなくなってきちゃって。オーディエンス・ジャッジはおもしろくていいんだけど、海外の意見を聴くと、やっぱり目が育っていないうちはオーディエンス・ジャッジってどうなの?というのもあったりして」
――確かにそれはありますよね……。また、レッスンを始めたことの効果についてはどう思いますか?
TAKUYA「ダンサーが多く集まるようになったのは良いのですが、やっぱりホンモノが少ないというか、フットワークをやっているけど、それはホンモノではないんじゃないか……と思うことがあるので、そういう部分も今後教えられるといいなと思ってます。
――ホンモノではないというのは、具体的にどういう点でそう思われますか?
TAKUYA「シカゴ・フットワークの基本ムーヴをやっているからといって、それがシカゴ・フットワークであるとは思っていないですし、ジュークに合わせて踊っているからシカゴ・フットワークというわけでもない。これっていうのはないんですけど、観ればすぐにわかるんですよ、〈シカゴ・フットワークだね〉というのと〈シカゴ・フットワークの動きをしているね〉というのは違うんです。それがホンモノかそうじゃないかの違いかなと思っています」
――ほほ~……これは目を養わないといけないポイントですね。
TAKUYA「単純に衝撃を受けるか受けないかってことなんですけどね。シカゴに行った時は衝撃を受けっぱなしだったんで。この間のBTTトーナメントの映像を観て、まさにそこかなと思いました。僕がフットワークを始めた頃からよくやっていたことなんですけど、自分の練習している様子を映像で観て、その後すぐにシカゴの映像を観るんです。そうすると、やべぇ全然ちげーってなる」
――あ~、なるほど。
TAKUYA「自分を見て、これ全然シカゴ・フットワークじゃねえな、と3年くらい思っていましたが、最近ようやくそれが一致してきたのかなという気がします」