集団疎開、その前夜の前夜、日本のフリージャズ界を牽引してきた原田依幸(pf)、そしてジャズのみならず忌野清志郎から七尾旅人まで厚い信頼を得る梅津和時(as)がかつて75年ニューヨークのロフト・ジャズに切り込みサン・ラ・アーケストラのメンバーらと音の交感を果たした。数百枚限定でプレスされていた幻のアルバムが遂に復刻。その後生向委は大管弦楽団となり自由な魂は渋さ知らズや藤井郷子オーケストラなどへ脈々と受け継がれていく、その芽吹きがここにある。その演奏は混沌よりもポジティヴなパワーに満ちた真の自由の模索であり、40年の時を経た今聴いても鮮やかな感動を喚ぶ。