まるで葬列行進曲みたいに陰鬱なムードの“でっどえんど”で幕が開く2年ぶりの新作。ジプシー音楽風の意匠を持つ退廃的で扇情的でいかがわしさ満点の楽曲が横溢する本作のテーマは〈人類最後の音楽〉だというが、正気と狂気の境界線を行き来する志磨遼平ワールドが大炸裂する結果となった。彼が描く奔放なイメージの具現化に取り組んだ、梅津和時や茂木欣一など総勢18名のミュージシャンらの仕事ぶりも聴きものだ。