なんかよくわかんないんですが、なぜかPNLの新譜(日本でCD化の予定はなさそうですが)をよく聴いています。フランス語のオートチューンがかかったラップの妙なノリが今年下半期はハマってるようです。今回は声をイジってあるのが印象的な3枚を、日本のオートチューンなラップから。

 

SKY-HI × SALU Say Hello to My Minions トイズファクトリー(2016)

 何と言っても“Sleep Walking”。(AKLO氏の)“We Go On”くらいからこういうビートに対する完璧な対応力を見せてきていたSALU氏でしたが、この曲での氏のヴァースにはリリック/フロウともども正直やられました。最近聴いた日本語でオートチューンされている〈ラップ〉の部分で一番スマートなヴァースだったと思います。あんまりそこについては取り上げられていないのが残念。スタンスも素敵。世間がもっとこの部分に気付けば世界が変わりそう。

 

BRUNO MARS 24K Magic Atlantic/ワーナー(2016)

 時代を進めて次は80sブギーなのか、ナルホドね。と納得。イントロのトークボックスのハーモニーのイケイケなこと! とっても嬉しいですね(テクノロジーとしては前時代的ですけどね)。ラップっぽいヴァースで見せるのもイケてます。なんかMJ化が著しいような気もしてきました。このまま行っちゃうのか! あとMVや直販サイトでも売っている〈24〉って書かれたスナップバックがウケます。そういうところは、なかなか日本にはない潔さを感じます……。

 

in the blue shirt Sensation of Blueness TREKKIE TRAX(2016)

 世界のブルーノから京都の大学院生にシフトしましてラストはこちら(祝・就職)。初めてライヴを観たときに、トッド・エドワーズかよってくらい満遍なく執拗に声がチョップされてる具合にクラクラしましたが、ずっと聴いてるとむしろそれがスムースに思えてくるという不思議。こういうのって普通ブレイクとかイントロで印象的に使う手法なんですが、あんまりにも全部切れてて、気合を感じるのがとても良かったです。パソコン持ったら、むしろやっぱ気合。そんなことを思い出させてくれる一枚でした。

 


tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。自身の『POSITIVE』はもちろん、G.RINASMAP矢野顕子SUEMITSU & THE SUEMITH、SALU、スカイラー・スペンスらの楽曲を手掛け、毎週土曜放送のTVアニメ「クラシカロイド」ではモーツァルト曲をプロデュースしています。最近はコンピ『5014 COMP MOST WANTED -REVISIT-』(WDsounds)で“CODEIN DREAMING”をリミックス。YouTubeに投下されている新曲の意味も気になるなか、諸々の最新情報は〈tofubeats.persona.co/〉で確認を!