待たせただけのことはある! まさかのニュー・アルバムが充実のフル・ヴォリュームで完成! 現在進行形の彼女が、そしてこの先の横山ルリカが進むべき未来を占うミチシルベとは……

 シンガー・横山ルリカ、約1年ぶりのリリース! 昨年10月のアイドリング!!!卒業後、タレント、女優としての活躍ぶりが目立っていた彼女だけに、音楽活動からはしばし遠のいていましたが、なんとセカンド・アルバム『ミチシルベ』を携えてという嬉しさ倍増しのご帰還! 直近のシングル“瞬間Diamond”“七色のプリズム”“SHUT YOUR MOUTH!!!!!!”も含みつつ、新曲もバッチリと収めた12曲には、思わず〈待ってて良かった!〉と声が出るほどのときめきと新たな感動がいっぱいで!

横山ルリカ ミチシルベ CJビクター(2016)

 

新しい発見

――シングル“SHUT YOUR MOUTH!!!!!!”から約1年ぶりのリリースですよね。

「いままで出せてきたのも全部ファンの方のおかげですし、また出せるっていうのは、ファンの方たちが求めてくださってるということでもあるので、いまはそれに対しての恩返しだったり、なにか還元していかなきゃいけないなっていう、使命感みたいなものが込み上げてきてます」

――アルバムというのも嬉しい驚きで。制作にあたってのテーマや意気込みはどんな感じでしたか?

「最初にアルバムって話を聞いたときはびっくりしたんですけど、また新しいものをお届けできるなって、嬉しくなりました。アルバムのための新曲も6曲書いていただきました。やっぱり、アイドリング!!!を卒業して1年経つということもあって、新曲はさらに入り込んだ曲を作っていただけたなあって思っていて、いままでたくさん作品を出させていただきましたけど、また新しい発見のあるアルバムになったので、がんばってレコーディングしようという気持ちはいつも以上にあったかもしれないです」

――ご自身で作詞された表題曲の“ミチシルベ”は、どういう思いで書かれたものですか?

「アイドリング!!!で10年やってきたのは、私と外岡えりかちゃんしかいないので、そこで学んだことや感謝したこと、気付かされたことはいっぱいあって。でも、それを発信する場所って意外となかったんですね。表題曲で作詞をさせてもらうっていうのは初めてですし、曲を聴かせていただいたときにすごく壮大な曲調だなあって思ったので、それじゃあここで、いままでの10年の思いをぶつけてみようって思ったんです」

――ものすごく大きなテーマですね。

「でも、思いが溢れすぎちゃって、最初はぜんぜんまとまらなくって(笑)。もっと書きたいもっと書きたいって、小説にできるんじゃないかっていうぐらい言葉が出てきたんです。アイドリング!!!での10年は青春時代全部という感じでした。大変なこともいっぱいあったけど、そこで重ねた日々があったから、いまのお仕事もできていると思います。私自身の思いを書いたものではあるけれど、私以外の人たちの思いも映せることができる詞でもあるかなって思うので、普段の生活やお仕事でのなかで〈嫌だなあ、面倒臭いなあ〉って思ったことがある人には聴いてほしいなって思いますね。やってることは無駄じゃない、意味があることなんだっていうのはアイドリング!!!を卒業してから実感したことでもあって、いまだから書けた詞だと思います」

――もう一曲、今回の新曲のなかで作詞をされてるのが、ラストの“いつかまた会えるその日まで”。タイトルからして意味深そうですね。

「イメージとしては、アイドリング!!!の“さよなら・またね・だいすき”。アンコールでいつもやってたほっこりする曲、あのイメージで書いていったものです。会えることってあたりまえじゃないという、それを自分でも歌にして形に残しておきたいなあって思ったんです。いつも会ってるけど、いつ会えなくなるかわからないし、ひとつひとつの出会いを大事にしていきたいなって。ファンの方からも、イヴェントが終わったら次はいつ会えるかな?とか、そういうふうに思ってもらえるようなタレントになりたいっていう気持ちも込めてます。会えることに感謝、ですね」

 

翼、広げてます!

――その他の新曲にも触れたいと思いますが、まずは“corona”。これはいわゆる〈ファンタジー〉というか……。

「RPGっぽいというか、ゲームの主題歌になってほしい曲です。なってほしいので取材でいっぱい言ってるんですけど(笑)。音楽がすごく気持ち良いので、自然と入り込めるというか、自分でいろいろ考えすぎなくてもバックの音に押されて、歌っていても楽しいですね」

――“ユメイロ”は、リズムや構成が特徴的な曲で。

「転調があったり、耳慣れない感じの構成でした。アイドリング!!!でもソロでもこういう曲は歌ってなかったので、仮歌を聴いたとき、これは難しすぎるーって、最初の拒絶反応が凄まじかったです(笑)。練習しようにも練習できない新しい感覚だったので、歌っていくうちにコツを掴んでいった曲ですね」

――その他の新曲“Precious Love”や“旅の途中”もそうですけど、歌い手・横山ルリカのポテンシャルをもっと引き出してやろうっていう、制作陣サイドが高いハードルを設けたような曲が多いですよね。対峙が難しいながらも、受け手として意気に感じる部分もあったんじゃないでしょうか。

「今回、ファルセットが入る曲が多くて、“旅の途中”なんかはサビがずっと高い音でいくので、生で歌うときが心配だなって思うんですけど、曲調にしてもちょっとドラマティックというか、切ない感じの曲も増えてますし、シングルで出した曲も含めて、ここでまた歌い手としての幅を広げられたらいいなっていう12曲になってますね。翼、広げてます(笑)」

――アルバムも2枚目ですし、フルセットのワンマン・ライヴもそろそろ期待してしまいますが。

「正直、まだ自信がないっていうところはあります。やりたいっていう気持ちはあるので、いまはそれができる力をつけたいです。最初にソロ・シングルを出したときよりは成長したとは思うんですけど、ファンの方をガッカリさせたくないっていう気持ちがまだ先立っちゃう。やっぱりCDを買うのってすごい労力だと思うし、ワンマンをやるとなればそれに応えなきゃいけないなっていう責任感はすごくありますね。いまの時点では、どう表現するか、誠実に届けていくか――そこを飛ばさず丁寧にやっていくことが目標に繋がっていくことだと思っています」。