INTERVIEW

クラシック界の風雲児・清塚信也、人気ドラマのサントラ曲やユーミン~〈戦メリ〉繋げたミニマルな組曲収めた新作を語る

清塚信也『KIYOZUKA』

(C)Sasha Gusov

 

KIYOZUKAのすべてを集大成した移籍第1弾アルバム

 クラシック界の風雲児ピアニストが待望の最新アルバムを完成。冒頭を飾るスリリングで謎めいた雰囲気の楽曲は、現在Huluで日米同時配信中のオリジナル・ドラマ『代償』のエンディング・テーマ。小栗旬が演じる“脆い心を抱えた”弁護士・圭輔が出口のない闇の中でもがく戦慄のストーリーを象徴している。

 「エンディング曲だが配信ドラマの醍醐味でもある“一気観”を想定して、次のエピソードまで視聴者の緊張感が解けないように繋ぐ役割も込めた。いつでも観られる作品なので長く愛される曲になれば嬉しい」

 劇中で圭輔の好きな曲として流れるベートーヴェン〈テンペスト〉第3楽章も収録されているが、同作品のもうひとつのテーマ曲である《正義》も聴き処。

清塚信也 KIYOZUKA ユニバーサル(2016)

 「過去の歴史が示すように、ひとつの方向に猛進するヒロイズムは一歩間違えば凄い勢いで悪に向かう。誰よりも強い“正義”を貫く圭輔が持つそんな危うさを表現したかった…《代償》の方がわりとすぐできたのでもう一曲書きますって(笑)」

 映画『神童』や人気ドラマ『のだめカンタービレ』でピアノ演奏の弾き替えを役になりきって完璧に担当し業界で注目を浴びて以来、現場での信頼の厚さには定評がある。今回新アレンジで収録された《Baby, God Bless You》もドラマ『コウノドリ』のスタッフや主演俳優である綾野剛との深い絆から生まれた楽曲だ。

 「制作サイドの求めるものがなかなか掴めなくて苦労したんですが、プロデューサーと朝まで飲みながら話していた時に“これだ!”って閃いて。その後は産婦人科医にして天才ピアニストの役でもある綾野さんの意見も聞きながら、赤ちゃんの人生って残念ながら平等じゃないから、ただ“おめでとう”ってだけじゃなく、聴く人によってはハッピーにも切なくにもきこえるような、そんな曲を目指して作りました」

 ユーミン《春よ、来い》から久石譲《Summer》にシャンソン《枯葉》を経て坂本龍一《戦メリ》へと繋がる組曲では、ミニマル・ミュージックの要素も魅力。

 「因みに《枯葉》にはビル・エヴァンスっぽいフレーズもオマージュとして入れてみましたが、ミニマルって結構好きですね。この後に収録したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(第2楽章)にも少し感じるし」

 アンビエントなドビュッシー《月の光》に続いてアルバムの最後を締め括るのはどこかロマン派ピアノ曲の伝統の香りも漂う書き下ろし新曲《陽だまりの綾》。

 「“綾”っていう言葉が含みのある微妙なニュアンスを意味するように、この曲も聴き手に寄り添っていろんな想いを織りなしてくれるはず。それがインストの強みであり、ピアノ曲の奥深さだと信じています」

 


LIVE INFORMATION

2017年 清塚信也コンサートツアー2017 -KIYOZUKA-
○4/9(日)仙台 日立システムズホール コンサートホール ○4/22(土)石川 北國新聞赤羽ホール ○4/23(日)新潟 新潟市音楽文化会館 ○4/28(金)長崎 チトセピアホール ○4/29(土)福岡 FFGホール ○5/3(水・祝)名古屋 しらかわホール ○5/4(木・祝)大阪 いずみホール ○5/14(日)札幌 札幌コンサートホールKitara小ホール ○5/21(日)横浜 関内ホール ○6/2(金)東京 紀尾井ホール
tristone.co.jp/actors/kiyozuka/

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