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コラム

世界一のロック・バンドを支えるジャズ・ドラマー、チャーリー・ワッツ(Charlie Watts)の職人気質を名門ビッグ・バンドを迎えた新作から紐解く

チャーリー・ワッツ&ダニッシュ・ラジオ・ビッグ・バンド『Charlie Watts Meets The Danish Radio Big Band』

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老舗ビッグ・バンドと共演、ストーンズ・ナンバーも!

さて、先日リリースされた『Charlie Watts Meets The Danish Radio Big Band』は、デンマークの老舗ビッグ・バンド(61年結成)との共演作だ。2010年10月にコペンハーゲンで収録されたライヴ作で、ベースは少年時代からの相棒であるデヴィッド・グリーンである。

今回の目玉は、ストーンズの曲が3曲演奏されている、ということ。それも“(サティス)ファクション”“無情の世界”“黒くぬれ!”という60年代の代表曲ばかりだからうれしくなる。この3曲はフォービートではなく、かつてのジャズ・ロック風のエイト・ビートで演奏されていて、ワッツは“(サティス)ファクション”ではスネアのリム・ショット主体のプレイ、“無情の世界”では躍動的なエイト・ビート、“黒くぬれ!”はブラッシュを使ったバラードっぽいドラミングと、きめ細かい繊細な演奏を聴かせている。ストーンズ・ナンバーの編曲は、たとえばウディ・ハーマンやバディ・リッチのオーケストラが60~70年代にロックの曲を採り上げていた時期を思わせる、ちょっと懐かしい味わいで、それもまたうれしい。

他の曲は『Charlie Watts Jim Keltner Project』(2000年)に収録されていた“エルヴィン組曲”で、エルヴィン・ジョーンズへのオマージュにふさわしく、ここではコルトレーンを彷彿とさせるテナー・サックスのソロがフィーチャーされている。スタンダードの“I Should Care”は、96年の『Long Ago And Far Away』でも演奏されていた曲。そして“Molasses”は、カウント・ベイシー・オーケストラのメンバーとしても知られるトランペッター、ジョー・ニューマンの曲。シャッフル・ビートで演奏されるアーシーなナンバーで、ワッツが実に気持ちよさそうにバック・ビートを叩いている。

2001年の10月、ブルーノート東京でチャーリー・ワッツ・テンテットの公演があった。メンバーはイギリス・ジャズ界の重鎮ばかりで、リーダーのワッツはその中でうれしそうにフォー・ビートを叩いていた。そして彼は曲ごとにきちんと立って、とても丁寧なMCを披露したのだ! ストーンズの来日も待ち遠しいけど、チャーリー・ワッツ・ビッグ・バンドの来日公演も早く観たいですねえ。