PLAID Reachy Prints Warp/BEAT(2014)

 前作『Scintilli』(2011年)ではアコースティックな質感へアプローチを試み、新境地を切り拓いてみせたプラッドが、結成25周年となる節目に辿り着いたインテリジェント・テクノの頂——それがニュー・アルバム『Reachy Prints』だ。ブラック・ドッグ・プロダクションズ時代から一貫してメロディアスでリリカルなリスニング・テクノを作り続けてきた彼らだが、今回のアルバムはそんなプラッドのキャリアをぎゅっと濃縮したような作品で、一音一音の粒が立ったクリアで立体的な音像と、ため息が漏れるほど美しいメロディーが、冒頭の“Oh”から惜しげもなく鳴らされる。途中にはファンキーなビートであったり、デトロイト風味のシンセも投入しながら、締め括りとなる“Liverpool St”では果敢にもクラシック音楽と融合。細部に至るまでこだわりと熟練の技術が注がれた、まったくスキというものを見せない境地へと自身のサウンドを磨き上げている。 

 

▼プラッドの2011年作『Scintilli』(Warp)
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