惑星ミュー創設20周年に合わせた首領の新作。何とも甘酸っぱいピアノ/モーグで幕を開け、70~80sオマージュなシンセで懐古的な空気を充満させながら、本名義に求められる爆走ビートも放ってくるあたり、自身のディスコグラフィーやレーベル代表としてのキャリアを総括するような潔さで逆にいい。リチャードトムが暴れるのを尻目にシーンのメンターであり続けた懐の深いエレクトロニクスが何だか泣ける。