昨年1月に公開され、毎日映画コンクールやキネマ旬報ベスト・テンでの受賞もアナウンスされた、映像制作集団・空族の最新作「バンコクナイツ」(Mikikiでの特集記事はこちら)。公開後はサントラのリリースをはじめ、「バンコクナイツ」に至るまでの10年間のストーリーを記した書籍「バンコクナイツ 潜行一千里」、映画の制作の裏側を追ったドキュメンタリー「映画 潜行一千里」、はたまた音楽担当のSoi48による書籍「旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイドTRIP TO ISAN」といった関連企画が多数立ち上がったこともあり(ワンメコンも?)、いっそう盛り上がりましたが、中でも、「バンコクナイツ」が珠玉の音楽映画でもあると知らしめ、映画界のみならず音楽界でも話題とさせたのは、アナログ12インチで続々とリリースされたトリビュート盤シリーズの援護射撃によるところも大きいのでは。
と、前置きが少し長くなりましたが、〈坂本慎太郎とVIDEOTAPEMUSIC〉、〈stillichimiya〉、〈井手健介と母船〉の3組がこれまでに参加してきた同シリーズの新作が2作、リリースを控えているのでお知らせを。3組に続く第4弾・オザワとバビロンバンド/くふきと乙津理風の『田舎に帰れ/田舎はいいね』が明日1月20日(土)に、そして最終回(!)となる第5弾・エマーソン北村の『田舎はいいねEP』が2月17日(土)に発表されます。
〈オザワ〉とは、「バンコクナイツ」で監督と主演を務めた空族の富田克也が劇中で演じたキャラクターで、なんと富田監督自身がヴォーカルをとっているという、まずそこに驚きたいレコードです。“田舎に帰れ”はオザワa.k.a.富田監督が、映画の音響係を務めた山﨑巌らによる楽団・バビロンバンドと共に、映画でも使用されていたルークトゥン曲“田舎はいいね”を改題&日本語詞にしてカヴァーしています。B面には、シンセサイザー・ユニットのくふきと、女性詩吟家の乙津理風がコラボした“田舎はいいね”を収録(試聴はこちらから)。
一方、ジャケット・デザインからしてキレキレのエマーソン盤では、前述の“田舎はいいね”をピコピコ・サウンド全開にインスト・カヴァー。同曲のダブミックスのほか、mmmをフィーチャーした名ディスコ曲“Rock You Baby”のカヴァー、アンカナーン・クンチャイのナンバーをベース・ミュージック解釈したというリメイク曲の4曲が収録されています(試聴はこちらから)。これまでのトリビュート・シリーズはどれも早い段階で入手困難となっているので、上記2タイトルもなる早で手に入れたほうが良さそう。
3月にはエマーソン盤のリリース記念イヴェントも開催予定で、ライヴに加えて、EM RECORDS代表の江村幸紀、Soi48の宇都木景一、エマーソン北村で語るトーク・タイムも実施。こちらも併せてチェックください。
「田舎はいいねEP」リリース記念イヴェント
〈僕らの考えるパッタナー、そしてRock Your Baby〉
2018年3月15日(木)東京・下北沢 風知空知
ライヴ:エマーソン北村(ソロ)、mmm with エマーソン北村
トーク〈僕らの考えるパッタナー〉: 江村幸紀(EM Records)、宇都木景一(Soi48)、エマーソン北村
DJ : 宇都木景一(Soi48)
開場19:00、演奏開始19:30
チケット:前売予約2,800円/当日3,300円(共に+1ドリンク500円)
★詳細はこちら