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JJJ HIKARI FL$Nation/AWDR/LR2(2017)

傑作の佇まいと文句ナシの風格を備えたセカンド・アルバム。鋼田テフロンをフックに迎えた“BABE”をはじめ、5lackやYOUNG JUJUを迎えて聴かせる流れは内外の評価で増した勢いを感じさせるもの。そのなかにSTICKYが登場するのもこだわりを窺わせる。FEBBとKID FRESINOが揃った“2024”の続きは今年あるのか?

 

BASI LOVEBUM BASIC MUSIC(2017)

韻シストでも本隊のアルバムとセッション企画盤を残した2017年ながら、メロウネスを極めた本ソロ・アルバムの出来が何より素晴らしかった。WATTやAFRAの柔和なトラックと温かい語り口のトーンがざらりと融和し、20年のキャリアに裏付けられた〈愛のアルバム〉を生み出している。名曲“たゆたう”は必聴。

 

MARIA Pieces Flex christ(2017)

自主レーベル発となった4年ぶりのセカンド・ソロ・アルバム。SIMI LAB仲間のHi'SpecとOMSB、さらにQNやKOYANMUSICら近しい間柄のサポートを受け、MACCHO×Shaka Digitalとのコラボなど多彩な曲を歌とラップで表現している。ZOMBIE-CHANGとの“Lovely Day”など衒いなくキャッチーな面も魅力的だ。

 

ZORN 柴又日記 昭和レコード(2017)

前年の『生活日和』で極めたライフサイズ路線を継続し、その後の暮らしや周囲の変化を等身大のままに歌った力作。語り部としてのスキルフルな習熟と日記的な目線の素朴さが良いバランスでマッチしたラップが胸に迫る。身近な死と生を描いた“かんおけ”と“ゆりかご”など、いよいよ他にない歌世界を極めはじめている。

 

KOWICHI Splash FLY BOY(2017)

コンスタントに届けられるアルバムもこれにて5枚目。馴染みのZOT on the WAVEとLil'Yukichi、DJ☆GOらをプロデューサーに迎え、品行方正でもないがアウトローでもない日常をメロウかつシンプルなアレンジに乗せてまったり語る姿は変わらず。恒例となっているT-Pablowとのコラボも良い感じだった。

 

Cherry Brown Geminii CNBM(2017)

ミックステープや配信作を出しつつLil'YukichiとしてBAD HOPらのプロデュース仕事も目立っていた奇才の一作。正規のフィジカル・リリースとしてはメジャーでの『Escapism』以来4年ぶりながら、ナイーヴな側面を臆せず表出した歌世界の個性はやはり唯一無二。ZOT on the WAVEやAutomaticも交えてラフに聴かせる。

 

YUKSTA-ILL NEO TOKAI ON THE LINE Pヴァイン(2017)

MC KHAZZ、C.O.S.A.、MIKUMARI、NERO IMAIと続いたNEO TOKAIの流れは2017年もスリリングだったが、そのキックオフとなったのは本作だろう。GINMENやOWLBEATSを軸にPUNPEEやOlive Oilらも駆けつけ、ストイックな実力者の大舞台をタイトに盛り上げる。1年を通じていい仕事をしていたMASS-HOLEが良し。