ジャズとヒップホップを融合、その確かなスキルで魅了し続けるハイセンス集団サナバから、1年10か月ぶりのリリースとなるサード・アルバムが到着。“F-BOY”のような徹底したおふざけに、“雨香”などで見せるメロウネスまで、とことんエンターテイメント性を追求した傑作となっている。“SFT”での〈だからこそ無駄だらけのミュージックを愛す〉には、彼らの決意を感じられてグッときた。

 


1曲目の"I'm back"から〈飛ばす鳴かずも もう飽きた 再び登る日〉〈エピソード2 Introduction〉とある通り、新体制で新章突入を感じさせる2年弱ぶりサード・アルバム。挫・人間の“ゲームボーイズメモリー”と同じ〈あの曲〉を引用した“P・A・N・T・I・E”のように思わず吹き出すようなふざけたリリックもあるにはあるが、それ以上により黒く、よりアダルトに、よりダークになったサウンド面の方が耳に残る。相変わらず岩間&高岩の息はピッタリだし、高岩遼のジャズ(というよりまるでオペラみたいな)ヴォーカルは一層磨きがかかった感が。スキットを挟んだり緩急つけたりしつつラストのダンス・ナンバー“FLASH”に持って行く流れも流石。そっかこれが平成30年の音楽かあ。