約1年のインターヴァルで着実に届けられた3作目。grooveman Spotによるガラージ“cake”やtofubeatsが担ったシンセ・ブギー“Flashlight”などのアップから、STUTSのビートがファンキーに轟く“Common”やKan Sano製のバラード“飛行”といったミディアム~スロウまで、今回もメロウネスに照準を定めたソウル/R&Bをヴァリエーション豊かに取り揃えている。タイトルにも表れているメランコリックな情緒を全編で纏っているのも印象的で、大沢伸一が手掛けた壮大な表題曲や、ペトロールズとSANABAGUN.のメンバーらがオーガニックなグルーヴを放つ“mirror”のビターな歌唱と言葉がとりわけ胸を打つ。都会の陰影を美しく描いた、シンガーとしての成熟を感じさせるアーバン・ミュージック集だ。