2015年の『CULTURE CLUB』以降、理想のバンド感を掴みつつあったおとぎ話。気負いなく締まったアレンジをはじめ、歌詞もサウンドもこの9作目でいよいよ剛柔が融和した。とろけそうに甘い音像なのに切実な苦みさえ宿すのは、現代のトーンを眺めて曲にしているから。まろやかにも辛辣にも自在に転ぶ、真の多様性に飢えたような、まるで隙のない一枚。時折ノーウェイヴっぽいビートも。完熟です。余韻が消えない。