インタビュー

おとぎ話 『CULTURE CLUB』

新たなチームと共に再出発! 4人が立ち上げたCULTURE CLUBでは、ネイキッドな音と言葉がポップな装いで躍っているよ!!

おとぎ話 『CULTURE CLUB』

 felicity移籍第1弾となるおとぎ話の通算7作目『CULTURE CLUB』が素晴らしい。90年代のUSインディーオルタナティヴ・ロックをベースとし、ときにパンキッシュに疾走し、ときにキラキラと輝く壮大なサウンドスケープを描き出してきたバンドは、メンバー全員が30代に突入したいま、このアルバムに等身大の姿を刻み付けた。

おとぎ話 CULTURE CLUB felicity(2014)

 「デビュー曲の“KIDS”と対になる“少年”っていう曲を入れたりもしてるように、今回は〈再出発〉っていう気持ちが強いです。これまでのおとぎ話は過度にキラキラした部分を出そうとしてたけど、レーベルのボスの櫻木(景)さんが〈君はそのままで十分カッコイイじゃん〉って背中を押してくれたし、僕はプログレ好きだから、放っておくと〈エクソシストのテーマ〉みたいになっちゃうのを、プロデューサーの吉田仁さんがバランスを取ってくれたりして、今回はチームで作った感じがすごくあります」(有馬和樹、ヴォーカル/ギター:以下同)。

 40曲ほどのデモのなかから厳選されたという全11曲は、音数を削ぎ落としたソリッドないまのおとぎ話を代表する名曲“COSMOS”を筆頭に、スマッシング・パンプキンズばりにメタリックな“きゅーと研究会”、ウィルコのような弦楽器のユニゾンが楽しい“FRIENDS”、さらにはエモーショナルなバラードの“AURORA”と、多彩かつ良曲揃い。そのなかでも、録音においてこだわったのは、〈生々しさ〉だったという。

 「2000年代以降のロックって切り貼りで作られてるものが多くて、好きなものが少ないんですけど、昔ってミュージシャンになるべき人がミュージシャンになってたから、みんな上手いんですよね。そういうのと並べても遜色ないアルバムにしたかったから、かなり練習して、ほぼ一発で録りました。もちろん、なかにはリズムがヨレたりしてるところもあるけど、そういう手触りというか、ある種の適当さっていうのもすごく大事で、アリエル・ピンクの新しいアルバムとか、ホント適当で良かった。あと昔のオールディーズをよく聴いてて、アメリカン・ポップスとかってすごい可愛いんですよ。でも、それを大人がカッコつけて歌ってるのが良くて、おとぎ話がやってることもこれだなって思いました」。

 『CULTURE CLUB』というタイトルは、映画「おとぎ話みたい」を手掛けた新進気鋭の女性監督、山戸結希からの刺激もあって生まれたもの。ここにはサブカルチャーに対する思いが込められていると同時に、有馬が内包する〈少女性〉を表してもいる。

 「僕にとって〈サブカル〉ってオシャレでカッコイイものなんですけど、いまってすごく軽んじられてる気がするんです。でも、20代前半の監督がポップかつ芸術性の高い映画を作っている姿を見て、だったら僕が経験してきたサブカルへの直接的な目線を歌うことにも意味があると思って。あと僕のなかにはもともと少女性があると思ってたんですけど、映画のなかで女の子が自分たちの曲を歌ったりする姿を見ることで、それを再認識した感じがあって、結果的にはそこがカルチャー・クラブボーイ・ジョージとも繋がるなって思いました。僕、カルチャー・クラブ自体は〈カーマは気まぐれ〉ぐらいしか知らないんですけど、それをタイトルにしちゃうっていうのもすごいポップでいいなって思ったんですよね(笑)」。

 

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ここでは、おとぎ話の作品を紹介します。峯田和伸の後押しで2007年1月にシングル『KIDS/クラッシュ』でCDデビューを果たした彼らは、同年9月にファースト・フル・アルバム『SALE!』(UKプロジェクト)をリリース。ままならない青春を率直に映した詞世界とビートルズらのロック・クラシックを咀嚼したガレージ・サウンドが支持を集め、2008年にはEP『ハローグッバイ ep.』と2作目『理由なき反抗』(同)を発表。そして、2009年のEP『青春GALAXY ep.』を挿んで2010年には3作目『FAIRYTALE』(同)を送り出すと、同年のうちに一発録りで臨んだ4作目『HOKORI』(ROSE)を完成。2011年の5作目『BIG BANG ATTACK』(同)と共に曽我部恵一の助力を得て、ネイキッドかつメロディー・コンシャスなサイケ~オルタナ感を磨いていきます。また、2012年末にタワレコ限定で3枚目のEP『サンタEP』を、明けて2013年1月に6作目『THE WORLD』(UKプロジェクト)を連続投下。なお、有馬和樹はゾンビちゃんの初作『あたしはなんですか』(同)のプロデュースも手掛けています。 *bounce編集部

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