自主リリースだった前作『Self Taught』が評判になったLAの鍵盤奏者が、納得のブレインフィーダー入りを果たしてリリースした2作目。近年の西海岸ジャズの隆盛に果たしてきた役割はもちろん、ベイビーフェイスらの裏方としてアーバン方面で活躍した経験も活きているのか、今回は本人のヴォコーダー歌唱も含めて完全に80年代ブラコン~フュージョンのオマージュのような快作になった。クインシー×ベンソン的な冒頭の“Live For Today”から全編が心地良いライト・ファンクで貫通され、一言で片付ければ往年のジョージ・デューク的、もう少し言えばパーラメントやザップ、ハービー・ハンコックにも似た軽やかなファンクネスの気持ち良さったらない。ミディアム~スロウへの取り組みも絶妙な効果を出している。