小里誠と田島ハルコによる異色デュオ、ハルコとフランシスが新作『ZERO GRAVITY LOVE』をリリースした。
ハルコとフランシスは、小里誠が93年に始めたソロ・ユニットのFrancisに田島ハルコが参加した2人組。小里は、80年代にドイツのデュッセルドルフからDAFらノイエ・ドイチェ・ヴェレのアーティストを多数輩出していたレーベル、ATA TAKからデビューし、かのレジデンツも引き合いに出された伝説の匿名グループ、ピッキー・ピクニックの元メンバー。オリジナル・ラヴとその前進バンド、レッド・カーテンにも参加し、2014年までザ・コレクターズにベーシストとして在籍するなど、国内シーンの新旧を知る音楽家だ。
一方の田島は、先日リリースした新作『聖聖聖聖』も話題を呼ぶシンガーソング・トラックメイカー/マルチ・クリエイターもとい〈ニューウェーブギャル〉。ハルコとフランシスは、まさに異色の2人組と言えるだろう。
そんな2人がこの度リリースしたミニ・アルバム『ZERO GRAVITY LOVE』は、昨年10月にリリースした『ハモンハモン』に続く新作。ジャーマン・ニューウェイヴ色が強かった前作と比べ、本作ではシンセ・ポップ×ラップな“Dancing in Shangri-La”からハンマー・ビート×パンクなディーヴォ風の“Joy of a Toy”まで、多彩な音楽性を披露している。
“Dancing in Shangri-La”と“my time”では田島がリード・ヴォーカルを取っているが、やはり聴きどころは2人の歌声が絡み合う楽曲。テクノ・ポップ風の表題曲では、小里と田島のデュエットと間奏のサックスが実にセクシー。エッジーだけど人懐っこいポップスを奏でるハルコとフランシス。アルバムのトレイラー映像で全曲の試聴ができるので、2人のサウンドにぜひ触れてみてほしい。